観察眼と推理力 ページ35
レイチェル「当たり前でしょう？赤のアリスとして当然の事をしただけだもの……他に何かあるかしら？……そうね、ランスロットの代わりをしただけよ？貴方でも仲間が困っていたら助けるでしょ？それをした迄なの」
ランス「……」
そう言うとランスロットはふふっと笑った。
レイチェル「な、何か変なこと言った？」
ランス「アリス、お前は変わっている。女なのに武器も使わず」
レイチェル「女の子だからって舐めたのが間違いね、私武術得意なのよ。それに、武器なんて物騒なモノを使わなくても平和に解決出来る糸口を辿っただけ」
ランス「そうか、礼を言う。……ところでアリス、武術が得意だと言ったな。どこで学んだんだ？もし可能ならば我が軍に教えて欲しいのだが……」
武術……あの殺人術を？ごめんなさいそれは出来ないこの国なら戦わずとも出来る方法をあなたは既に知っているはず……だから……
レイチェル「ごめんなさい、それは出来ない」
ランス「なぜだ？」
……素直に言いましょう。
レイチェル「私は争いが嫌い。どうして私欲の奪い合いのために誰かが犠牲にならなければならないのか、私には理解出来ないから。それに……」
ランスロットに歩み寄る
レイチェル「あなたはこんなことしたくてこのくだらない争いをしてる訳では無いでしょう？」
ランスロット「………………何故それが言いきれる」
ランスロットが驚いた顔をして何も言わなくなった。きっと彼はこの戦争は無意味なものだと知っているはず……なぜなら、その戦争に関係の無い魔法学者が私を拉致しようと襲ったからだ。きっと虚弱な私であれば攫われ何かをこじつけにランスロットを呼び出すはず……きっと魔法学者側に裏でこの戦争を高みの見物として軽視していると推測できる。そうなればきっと、公共の塔であれ裏で何か隠蔽しているに違いない。それが戦争が起こることで利益的に反映するもの。確信的なことは無いだが、これが糸口であれば今までの行動に辻褄が合う。それにこれまで聞いてきた話でランスロットの父親が黒の者に惨殺されたからだったが、どうしてそれが争いの火種に成り上がるのかいまいちよく分からない。……これは調べる必要がありそうね。
ランスロット「……アリス？」
レイチェル「ごめんなさい、考え事をしてた。……証拠がないから言えることではないのだけれど…………そうね、ランスロットはきっと掌で踊らされる悪寒がするの。それだけ」
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作者名：抹茶の粉 | 作成日時：2019年3月24日 20時
