52 ページ2
A「はい、どうぞ〜」
飛貴「お!さっそく!」
A「使ってみました」
2人で用意したマグカップは名前入り。
“Hidaka”と白字で書かれた黒色のマグカップと、私の名前が黒いローマ字で書かれた白色のマグカップ。
私の家に遊びに来る人ナンバーワンは、確実に飛貴だと予想して…、ううん、確信して2人で相談してペアマグカップを注文した。
飛貴「ココア美味し〜」
A「甘党だね〜」
飛貴「コーヒー苦くない?」
A「これカフェオレだからそんなにだよ?」
飛貴「じゃあ1口ちょーだいっ」
コーヒーが得意ではない飛貴は、ココアや紅茶ラテを選びがち。
飛貴「んー…」
A「どう?」
飛貴「甘いから飲めるけどココアの方が好き〜」
マグカップを両手で持って手をあたためる飛貴の姿は、飛貴が飼ってるリチャードソンジリスのような小動物感が漂ってる。
飛貴「何?」
A「ううん、何もないよ」
飛貴「いいな〜、一人暮らし」
A「でしょ?」
飛貴「俺もしたいけど家から出るの寂しいなぁ」
A「家出る時はさすがに泣きそうになった」
飛貴「俺号泣する自信ある」
A「飛貴は一人暮らししても毎日実家戻ってそう」
飛貴「俺もそう思うんだよね、だからとりあえずまだ実家住み!そしてここは俺の第2のアナザースカイになるよ!」
私の新居、ほぼ彼の新居。
彼のマグカップがあるのはお話した通り、ちなみにまだまだ彼のものはうちに置いていかれる訳でありまして。
歯ブラシ。パジャマ。タオル。下着。
「これで急に来ても大丈夫だね!」って飛貴がワンセット持ってきた。
一人暮らしは、正直不安だ。
家に一人でいることは今まであまりなかったし、夕飯だっていつもお母さんが作ってくれて、もちろん食材の買い物はお母さんで。
掃除はしてたけど毎日じゃない。
飛貴「大変だと思ったら俺呼んで?」
A「ありがとう」
飛貴「Aのために飛んでやってくるから!」
やっぱり飛貴は、“溺愛彼氏”だ。
卒業、進学。
溺愛彼氏との物語はまだまだ始まったばかり。
763人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:音 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/9720rr
作成日時:2020年3月6日 22時