49 you & hdk ページ49
「只今から、平成31年度卒業証書授与式を開式致します」
副校長の言葉で始まった卒業式。
「浮所 飛貴」
飛貴「はい」
担任に呼ばれ、証書を受け取りに行く飛貴。
今日で飛貴の制服姿が見れる夜は最後。
校長から証書を受け取る飛貴の後ろ姿は
とても大きくて、自信に満ち溢れていた。
後ろ姿もかっこいいと思えちゃう私は、
多分、飛貴に依存しまくってる。
飛貴と出会ってからの高校生活は
色鮮やかに輝いていた。
飛貴といる時間が楽しくて仕方なくて、
飛貴といない時間は飛貴を想い続けて、
いつの間にかわたしは飛貴のことが
好きになっていて。
「中村 A」
A「はい」
飛貴は私の人生にたくさんの幸せを与えてくれた。
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hidaka side
「中村 A」
A「はい」
Aと出会った時、
どうしてかはわかんないけど、俺は多分、
この人と一生一緒にいるんじゃないかって、
ドラマみたいなことを自然と考えていた。
Aのことをよく知りたいって思った。
Aと一緒にいる時間を増やしたいって思った。
Aのことを俺の彼女にしたいって思った。
Aのことを一生守り続けるって誓った。
この命をかけてでも、俺はAを守り続ける。
校長から証書を受け取ったAは
ステージの階段から降りる時、
俺の方を見て微笑んだ。
「相変わらず相思相愛だな、お前ら」
飛貴「だろ?A以上に好きな人なんてこれからも出てこないからさ」
「重すぎて中村さんのこと困らせるなよ?」
飛貴「まぁ、それはわかんない」
「浮所らしいな」 笑
隣に座る友達に言われた通り。
これからも重すぎてAを困らせるかもしれない。
それくらい好き、ってAにはきっと伝わる。
校歌を歌うのはきっとこれが最後。
友達とこうやって全員集まるのもきっと最後だ。
「浮所先輩!」
飛貴「…何?」
「ネクタイ…いただけませんか?」
飛貴「あー…ごめんね?ネクタイはあげられないや」
「…………ずっと好きだったんです!」
飛貴「ありがとう」
「…………卒業、おめでとうございますっ」
涙目になってお友達と去っていった
きっと2年の女子。
玄関でAを見つけた。
A「ごめんなさい」
「ううん、大丈夫。俺、中村さんとは違う大学に進学するから。最後に伝えておきたくて」
A「ありがとう。青木くん、頑張ってね」
「中村さんもね」
飛貴「A?」
A「飛貴!」
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作者名:音 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/9720rr
作成日時:2019年6月26日 23時