Perfect Crime (ページ19)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:16,016 hit

18 ページ19

-Ryosuke side-

Aは家に着いてすぐ

シャワーを浴びに行ってしまった。

俺はする事もなく、上着を脱いでソファーに座る

ただただぼーっと

Aの事を考える

涼｢はぁーーー。｣

やっぱり会わせたくはなかった。

歯車は動いてしまった

この歯車がどう動いていくのかもわからないまま…

A。

俺は、君の為に

何が出来る…？

『涼介も入ってきたら？』

涼｢あ、うん。｣

少しして出てきたAは

にっこり笑って

『待ってるね』

と言った。

綺麗なグレーだった筈の瞳が

暗くなっている気がした。

シャワーを浴びて出ると

着替えが用意してあった。

男物？

ちょっと大きいな。

……新品…？

ま、いっか。

『涼介？出たら洋服は洗濯機に入れといてね』

涼｢わかった｣

『私は飲むけど、付き合ってくれる？』

涼｢少しなら｣

『あら、明日仕事なの？』

涼｢そう。｣

『早いの？』

涼｢9時に出れば間に合う。｣

『そう。なら、シャンパンにしましょう？』

涼｢いいね。お祝いもかねて。｣

『乾杯』

涼｢乾杯。｣

『丁度少し前にシャンパンをもらったのよ』

涼｢へぇ。誰に？｣

『前のドラマのスタッフ』

涼｢え、そんなことある？｣

『一緒に飲みたかったんじゃない？』

涼｢で？一緒に飲んだの？｣

『まさかw今目の前で開けてたの見たでしょう？
何も気がつかないフリして、お礼言って帰ってきたわよ』

すげーなぁ。

スタッフまで落としてるのか…

『あ、そのスタッフ、スクール革命も担当してる人よ？』

涼｢え？！誰！｣

『また今度教えるわ』

あぁ…

あいつに会える機会をAが逃す訳がない。

可能性があるのなら、きっと片っ端から試していくよな…

涼｢それで？この後はどう動くの？｣

『ふふっ。なるようになるわよ。』

涼｢なるように？｣

『少なくとも今日で、私にこのままLINE送ってくる人とこない人とで別れるでしょうから』

Aは

暗く濁った瞳で

楽しそうに笑った。

『この後が楽しみね。』

どこかで何かが壊れる音がした…