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無個性の人がヒーローを目指す。それはつまり、緑谷さんがそうであるということなのだろうか。
諦観の含まれた声に瞳。
トレーニングにゴミ掃除に尽くしていながら、彼の言葉が彼自身を否定しているようで……私にはそれが我慢ならなかった。
(緑谷side)
オールマイトが力を授けてくれると、こうやって特訓までしてもらっているのに…弱気な考えはふとした瞬間に出てきてしまう。
無個性。特別な力を持たない人が、ヒーローを目指す。
それは、この超人社会――個性が溢れかえる世界では、難しい、前例のない…いや、世迷言とすら取られるかもしれない。
それでも、聞いてみたかった。
赤獅さんは、今まで出会ったことがないような人。
僕を嗤ってきた人たちとは、何かが違う気がした。
僕が個性に触れなくても、深くは追及しなかった。何も聞かずに、普通の友人のように接してくれる。それだけのことが、僕にはとても嬉しかった。
力を受け取るための身体作りをしていても、今の僕は「無個性」だ。力有る、けれど嗤わない彼女から見たら、今の僕の姿はどう映るのだろうか。
僕のことだとは言っていない…それでも彼女には伝わってしまったのか。
しばらく僕をじっと見つめて、赤獅さんはゆっくり口を開いた。
「力がないから、諦めているんですか？」
そんなことはないと言おうとしたけれど、なぜか喉の奥につかえて言葉にならなかった。
赤い瞳が僕を見たまま、返答は続く。
「「自分の意思で、やりたいことをやる」…恩人に教えてもらいました。綺麗事かもしれませんが、誰かのためになりたい、救けたい。そういう心があるだけでは、目指す理由にはなりませんか？」
「何より、ゴミ掃除をして、身体を鍛えて……そんな努力を、他でもない自分自身が否定するなんて、もったいないと思いますよ」
「少なくとも私は、努力する姿勢を認めこそすれ、否定する気にはなれませんけれど」
あまり表情の動かない彼女が、このときばかりは笑った気がした。
赤獅さんの言葉に忖度の雰囲気はない。慰めではない本心に、思わず目頭が熱くなった。
「……そう、だよね。ヒーローになりたくて、行動起こしといて、それでも諦めの気持ちを持ってるなんて……バカみたいだ」
なんとなく、身体が軽くなった気がする。
彼女はもう、僕の中では「ヒーロー」だった。
＊＊＊＊
受験前って不安定になりますよねって話。
デクくんの心情完全捏造。申し訳ありません。
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らべんだー - いつも楽しませていただいてます！アリババ君は出てくるのでしょうか、、出てきてほしい！です！ (2020年5月6日 1時) (
レス) id: e9a4cf0eda (このIDを非表示/違反報告)
AYAAYA(プロフ) - 握力で測定器へし折りそうだねー (2019年6月22日 17時) (レス) id: df90ade64c (このIDを非表示/違反報告)
李鈴(プロフ) - あぁぁ、最っ高！こういうの欲しかったんです！ありがとうございます(><) (2019年2月12日 9時) (レス) id: ff3f8f1243 (このIDを非表示/違反報告)
操菜 荘椏(プロフ) - 続きが気になります！頑張ってください！ (2019年1月8日 22時) (レス) id: 973a3c6c76 (このIDを非表示/違反報告)
やっかちゃん(プロフ) - 夢小説読みまくった私にとってはそんなに違和感は感じないですが、作者さんの好きな風に書くものですから、今考えてるという案で全然問題ないと思いますよ！最後に、ヒロアカの推し全く一緒でした嬉しいですいつも楽しく読んでます更新楽しみにしてますね！ (2018年11月6日 23時) (レス) id: 37cb2170f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2017年8月28日 6時
