16：醒悟 ページ18
私の意思を、ヒーローになりたいという思いを、両親と兄に話した。
両親は、笑顔で頷いてくれた。
鋼兄さんは、渋面だったが、遥が決めたことなら…と了承してくれた。
…意思表示をしたといっても、特にこれといって生活は変わらない。
強いて言えば、白紙だった進路希望用紙の第一志望欄に「雄英高校」と書かれたこと、筋トレやランニングのメニューを少し増やしたことだろうか。
目指すなら、手を抜くことはしたくない。
鋼兄さんも雄英を卒業したし、聞けばシンドバッドさんも雄英出身だという。
(あの人のように、とは思ったけれど…私が雄英を目指すのは、鋼兄さんに因るところも大きいかもしれないわ)
大切な師であり、優しい兄。
その活躍をTVで見たときは、とても誇らしく、輝いて見えた。
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ランニングのつもりが、少し遠くまで来てしまった。
海浜公園が見えるし、潮の香りもする。海辺まで来ていたのか。…ちょうど、朝日が昇ってきた。
(…夏季休業中だし、これくらい走ってもいいわね)
体力的には問題ないが、如何せん受験生なのでトレーニングばかりしているわけにもいかない。
自販機でスポーツドリンクを買い、喉を潤す。
「…！……ー！」
「…〜〜っ！！」
…先程から、海浜公園の方から声が聞こえる。…2人。気配や息遣いなど、感じ取れることや範囲も増えてきた。
自販機でもう2本スポーツドリンクを買って、そちらへ向かう。
…見たところ、緑髪の少年のトレーニングだろうか。
砂浜に散らばっている粗大ゴミを、トラックへと引きずっている。
…金髪の男性は誰だろう。
「おはようございます」
「うわっ！？！？」
「っ！？」
…驚かれた。普通に挨拶しただけなのだが…無意識に足音を消していただろうか。
とりあえず、2人に先程買ったスポーツドリンクを渡した。
「トレーニングしてらっしゃるようだったので、差し入れです」
「え、あ、ありがとうございます…？」
改めて周囲を見回すと、粗大ゴミは依然山のよう。
トレーニング且つ、ゴミ掃除か…手近な洗濯機に目を向ける。
「一つ、いただきますね」
足を振り下ろすと、洗濯機は綺麗にひしゃげた。それを持ち上げ、トラックに載せる。
「…え"っ」
「…なんと」
「私はこれで。トレーニング、頑張ってくださいね」
2人は固まったままだったが、会釈してその場を後にした。
…空気がまだ涼しいうちに、家まで走ってしまいたい。
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らべんだー - いつも楽しませていただいてます！アリババ君は出てくるのでしょうか、、出てきてほしい！です！ (2020年5月6日 1時) (
レス) id: e9a4cf0eda (このIDを非表示/違反報告)
AYAAYA(プロフ) - 握力で測定器へし折りそうだねー (2019年6月22日 17時) (レス) id: df90ade64c (このIDを非表示/違反報告)
李鈴(プロフ) - あぁぁ、最っ高！こういうの欲しかったんです！ありがとうございます(><) (2019年2月12日 9時) (レス) id: ff3f8f1243 (このIDを非表示/違反報告)
操菜 荘椏(プロフ) - 続きが気になります！頑張ってください！ (2019年1月8日 22時) (レス) id: 973a3c6c76 (このIDを非表示/違反報告)
やっかちゃん(プロフ) - 夢小説読みまくった私にとってはそんなに違和感は感じないですが、作者さんの好きな風に書くものですから、今考えてるという案で全然問題ないと思いますよ！最後に、ヒロアカの推し全く一緒でした嬉しいですいつも楽しく読んでます更新楽しみにしてますね！ (2018年11月6日 23時) (レス) id: 37cb2170f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2017年8月28日 6時
