琴線に触れる【イナズマイレブン】 (ページ6)

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結果としては帝国学園の試合放棄。よって勝者は雷門中学。私達もすぐに撤退するわよ、と指示を出した。有人の横に並んで、雷門にはすぐ背を向けたが、豪炎寺君に肩を捕まれ足を止める。

『…何？』
「A、か？」
『…そうだとしたら？』
「どこに行ったのか心配だったんだ」
『もうずっと昔のことなのに。…じゃあね、豪炎寺君。』

不本意とは言えど、勝手に居なくなったのは私。それに豪炎寺君が私のことを覚えているのかも分からなかったのに…。彼の優しさに縋りたくなくて、その手を早く振り解けば早足に帝国イレブンの元にへと去った。

…かっこよかった。やっぱり、変わってない。
口元を抑え、荷物を片手に乗り込んだ。

「思わぬ収穫があったな…」

有人のその言葉を聞き、帝国学園にへと戻った私は総帥からお呼び出しが入ったためみんなよりも早足に総帥の元に向かった。

「やはり、豪炎寺修也の能力は落ちていなかった…。」
『はい。ですが雷門はまだ帝国には及びません。こちらにはまだあの技が残っていますから…。』
「自分の力を過信しすぎては落とされるぞ。」
『…申し訳ございません。それで、用というのは』
「それだ。」

目の前に出されたのはノートパソコン。少し驚いて、それを手に取る。近くにはタブレット端末もあった。黒塗りのその2つを見て、これは…と声に出す。

「お前専用のものだ。紙に手で書けば時間がかかる。お前のデータ管理、そしてサポーターとしての役割を充実させろ。いいな。」
『ありがとうございます。了解しました。』
「話はそれだけだ。下がれ。」
『はい。失礼します。』

その2つを手に取っては部屋から出る。パソコンは操作に慣れるまで時間がかかりそうだな…タブレット端末は元から自身のものがあったが、あの人のことだ。もう既に帝国の情報はこの中に詰まっている。
私が今まで積み上げてきた各選手の能力が入ったタブレットよりも、ずっと多いのだろうか。なんだか憂鬱になってしまいそうで、溜息を殺しながらみんなの元にへと戻った。

「総帥からの話は終わったのか。」
『思ったよりずっと早くね。今は自主練？』
「あぁ。まだ体を動かしたりないんだろう。俺も付き合うとするさ。」
『そう。じゃあタオルとドリンクの準備しなきゃね』
「すまないな。今日は本来休みだが…」

いいえ、マネージャーですから。微笑んで、私は準備に入った。

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