【名探偵コナン】諸伏家の嫁。３

第127話【服部平次と吸血鬼館】 ページ39

《Aside》

捜査一課長に頼まれて、とある館で行われる遺産相続の会議に同席することになった。


もともとは館の人が大阪府警のお偉いさんに依頼し、大阪府警から誰かを派遣したらしい。


だけど、半年前に館の近くで妙な殺しの事件があったため、大阪のお偉いさんが友人である我らが一課長に長野県警からも誰かを派遣してくれと頼んだんだそう。


そして、ため息のつくような理由で私が選ばれ、群馬と埼玉の境界にある洋館まではるばるやって来た。


半年前の妙な殺しというのは本当に妙な事件で、館近くの森の中で、メイドをやっていた女の人が殺されていた。それも、立てた杭に体を逆さにして縛られた無残な格好で。


その遺体からは全身の血を抜かれ、おまけに首筋に２つの穴が空いていたことから、吸血鬼の仕業ではないかと噂されている。


今回の敵は人間ではなく得体の知れない化け物なので、高明さんからはかなり心配された。


吸血鬼を捕まえるわけでもその妙な事件を解決するわけでもなくて、ただ会議に同席するだけだから心配はいらない。


吸血鬼とかいるわけない。妙な事件もきっと誰か人間による犯行に決まっている。


ただ、誰一人知り合いのいない所に一人で行くというのは少し不安で、さらにしばらくの間高明さんと会えないのが最も寂しい。


だから家を出る前に高明さんにぎゅぅーっと抱きついて、たっぷりと充電をしてきた。


私が抱きついた後に高明さんからも熱い抱擁を受けて、心のバロメーターが壊れるかと思うほど嬉しかった。


山奥の洋館に着いて車を降りると、すぐ後からもう２台車がやって来た。


１台はトンネルを越えた辺りから後ろに見えていた車で、たぶん大阪府警の人だろうけど、もう１台は誰なんだろう。


コナン「A警部、また会ったね。」


平次「おう！久しぶりやな！京都で会うた以来とちゃうか？」


１台目から出てきたのはまさかのコナンくんとお久しぶりの平次くん。最後に会ったのは確か京都旅行の時。


『久しぶりだね。大阪府警の人が来るって聞いてたんだけど、なんで二人も来てるの？』


平次「大滝ハンが俺に内緒でコソコソ女に会いに行きよるから気になってついて来たんや。」


大滝ハン？誰だそれは。


？「だから平ちゃん、女やない言うたやんか。」


車から出てきたのはガッチリ体形で坊主頭、右眉に傷のある男の人。この人が例の大滝ハン？

第128話【服部平次と吸血鬼館】→←第126話【服部平次と吸血鬼館】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す