【名探偵コナン】諸伏家の嫁。３

第117話 ページ29

翌日、博士さん宛ての封筒をポストに出してから久しぶりに県警本部に登庁すると、今まで休んでいた分の仕事をたんまりと手渡された。


ざっと見た感じでは今日中には終わらなさそう。


いつもの私なら、休んだ自分を恨んで憂鬱な気分で取り組むだろうけど今日の私は違う。


映画を見て名字の話をした後から工藤優作大先生の最新刊を読み始めた。


なんといっても最新刊だし、私が一般人第１号らしいからワクワクして読み進め、結局一睡もせずに読み終えてしまった。


途中までは高明さんも一緒に起きていたけど、さすがに眠そうだったし明日以降の仕事に影響するといけないから先に寝てもらった。


読み終えてからすぐはしばらく小説の余韻に浸り、その後にスマホを取り出して思いつく限りの言葉を並べた感想をメールに添付してお兄ちゃんに送った。(工藤ご夫妻の連絡先は知らないから)


工藤優作大先生の小説はやっぱり面白くて、眠気や疲れなんて感じるどころかいつもより元気100倍で、朝からテンションMAX。


だからこんな山のような仕事にも笑顔で対応できる。


ただ、あの狙撃事件のおかげで県警の仕事だけでなく公安の方も遅れているのも事実。


どちらも手を抜くことは決して許されない。両方とも集中してやっていきたいところだけど、工藤ご夫妻のパワーがいつまで続くかわからない。


そんなこんなであっという間に2週間が経ち、真純ちゃんも無事退院したとの連絡を受けて胸を撫で下ろした。


あの狙撃事件から2週間ということは、骨折してから約1ヵ月、そして同棲を始めてからも約1ヵ月経ったということ。


高明さんの家で生活することにもだいぶ慣れてきて、もう結婚したかのような生活を送っている。


でも、これはネットで偶然見つけた記事だけど、同棲に慣れてきた頃に相手に冷めてしまって、別れに至るカップルがいるらしい。


私からすると、そんなの信じられない。冷めるどころかさらに愛が深まってるんだけど。


私と高明さんはお互いのことに干渉しすぎず放置もせず、ちょうどいい距離感を保っている。


私の指が治ってからも高明さんの過保護は相変わらずだけど、守られてるんだなって感じるから嫌ではない。


同じ職場の同じ班で同じ仕事をしているから仕事の愚痴があったとしても理解してくれる。たまに家で事件について話し合ったりもする。


付き合い始めてからケンカもしてないし、毎日同じベッドで仲良く一緒に寝てるし、仲は非常に良好。

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