第120話 ページ32
上原さんから妊娠しているのではないかと言われてから、そのことばかりを考えながら今日の仕事を終えた。
いつも通り高明さんの車で家に帰って晩ごはんを作り、二人で食べた。何もないように振る舞っているけど、内心はとてもドキドキしていた。
晩ごはんの後片付けも終わって一段落ついたところで、意を決して高明さんをリビングに呼び寄せた。
諸「Aさん、大事な話とは何でしょうか?」
『人生を左右する大事な話です。とりあえず座ってください。』
高明さんをソファに座らせ、自分もその隣に座ったそして、静かに深呼吸してから口を開いた。
『高明さん、覚悟して聞いてください。』
諸「はい…」
『じ、実は、私、に、妊娠したかもしれないんです…』
時が止まったように感じた。高明さんはまばたきもせずにただボーッと私を見つめている。きっと今、頭の中は大混乱が起きているはず。
諸「…それは、本当ですか?」
『確証はないですけど、条件は揃っているんです。』
ここ数日体調が優れなかったことやそれを上原さんに相談したこと、あんまり言いたくないけどアレが遅れていることを言葉をつまらせながら説明した。
『それで、これからどうするか高明さんとよく話し合えって上原さんが言ったから、それで…』
話しながら目から涙が溢れて頬を伝って流れ落ちた。高明さんがどう思っているのかわからなくて怖い。
そんな思いとは逆に、泣いている私の頬に高明さんの手がそっと添えられ、優しく涙を拭ってくれた。
諸「なぜ泣く必要があるんですか?新しい生命の誕生は喜ばしいことですよ。」
『だって、結婚してないし付き合ってることも言ってないのに子どもができたなんて知られたら、周りから何て言われるかくらい想像がつきます…』
「遊んでいる」、私たちの交際を知らない周囲から一番言われたくない言葉。
私はともかく、真面目で通ってきた高明さんにそんな印象を持たれてしまったら、それは高明さんの名誉を傷つけることになる。
諸「周りが何と言おうと関係ありません。元より私とAさんは婚約しているんですから、堂々と報告すればいいんですよ。ただ、Aさんを傷つけるようなことを言う輩は放っておけませんが。」
確かにそうだ。婚約中に妊娠したんなら、これはでき婚とは言い難い。思ったより高明さんは冷静のようだ。
『でも、高明さんは子どもが好きじゃないから、この先どうなっていくのか不安で怖くて…』
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おひたし(プロフ) - ちー子さん» コメントありがとうございます。説明が不足して申し訳ありません。パスワードは半角小文字で英単語6文字を入力していただければ開くと思うのですが、どうしても開かない場合はまたご連絡ください。 (2019年12月15日 7時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
ちー子 - いつも楽しみに見てます。番外編のこと何ですがパスワードを入れても開かないですが、パスワードは入力の上のパスワードでいいんですよね。 (2019年12月15日 0時) (レス) id: e1506e4f67 (このIDを非表示/違反報告)
おひたし(プロフ) - かずささん» コメントありがとうございます!私も諸伏警部が大好きで、諸伏警部の作品が少ないのでこの話を書き始めたんです。楽しんでいただけて私としても嬉しいです!これからもよろしくお願いします!最近忙しいので、更新はもうしばらくお待ちください… (2019年11月28日 10時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 諸伏警部大好きです!あまり諸伏警部落ちの作品がないのでこの作品を読めてとても嬉しいです!!更新されるのが楽しみです!応援しています!頑張ってください!!! (2019年11月27日 0時) (レス) id: 189adfe0dc (このIDを非表示/違反報告)
名無し65455号(プロフ) - おひたしさん» はい!これからも五月雨でよろしくお願いします! (2019年11月6日 19時) (レス) id: d7c3512a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おひたし | 作成日時:2019年11月4日 14時