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「ここの店にしましょう」
珍しく俺が仕切って、
職場近くの居酒屋に向かった。
「…アットホームな雰囲気でいいね。
顕嵐くんのオススメ？」
「や、モロ先輩がいつも連れてってくれる店です」
ね、先輩？と尋ねると、先輩は早速顔を赤くした。
まだ飲んでないのに。
お通しの枝豆を口にしながら、たわいもない仕事の話。
その後、多田さんが酔ってきたのか、割と込み入ったことを質問してきた。
「顕嵐くんは、なんで彼女作らないの？」
「おい！」
なぜか止めに入るモロ先輩。
「忘れられない人がいるから。
とかカッコ良いこと言っちゃったりして」
ほんとは、作らないつもりもないんだけど。
ただ、Aもそうだけど、宮近、七五三掛先輩、美勇人くん、仲良くしてくれる人たちに囲まれてると、新しく彼女とか、要らないような気がして。
「私じゃ、無理なの……？」
「へ、」
思わず変な声が出た俺と、
「無理だから！ぜってー無理！」
熱心に止めに入るモロ先輩。
「二人とも酔ったんですか？」
ワイワイ騒いで、学生みたいで面白い。
「無理って係長が決めないでください！」
「無理なもんは無理だから！」
言い争ってる二人も楽しい。
「多田さん、俺と付き合いたいんですか？」
そんなつもりじゃないけど流すのも失礼かと思って目を見たら、
お酒？のせいか顔が真っ赤で。
「……」
無言でコクンと頷いた。
「あーあ、後悔しても知らねーぞ、」
モロ先輩は横でため息。
だけどチラチラと、多田さんのことを心配そうに見ている。
……そっか。
モロ先輩はきっと、多田さんの事が好きなんだ。
だから気にかけてるんだ。
それなら、その時点で俺に多田さんと距離を詰める選択肢はゼロ。
もう誰かと争ったり、取り合ったり、人の大切な人奪おうとしたり、
そんな恋は懲り懲りだから。
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かなこ(プロフ) - コメント失礼します。作品とても面白かったです！顕嵐くんのためにたくさん悩んだり、自分の気持ちそっちのけで好きな子の幸せを考えるモロ先輩が素敵すぎます！顕嵐くんも前に進もうとする姿や先輩の背中を押す姿に感動しました！ (2017年12月18日 16時) (
レス) id: 79c3722c3d (このIDを非表示/違反報告)
踊れる人大好き芸人(プロフ) - ppppuさん» 有難うございます！この2人の絡みは清潔感があって、作品に入れさせて頂くと爽やかになる感じ(？)がするので、また何かで登場させられるように頑張ります。 (2017年6月15日 21時) (レス) id: 698c405fce (このIDを非表示/違反報告)
ppppu(プロフ) - あらみゅ厨にはにやにやの止まらない話でした（笑）ありがとうございました。 (2017年6月15日 15時) (レス) id: 25c596ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2017年5月31日 22時
