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あはは、なんで？っていう顔してる。本当は分かってるくせに。なんで私がこんな事言うのか。それなのにベクちゃんはやっぱり私に問いかける。
「･･･なんで？」
『んー、特に理由はないけど』
「･･･新しいの買うのにだって理由はなくていいじゃん」
『だから買おうって？』
「うん」
『･･･まあでもベクちゃんの好きなココア飲めないもんね、ベクちゃんだけの買ってきていいよ』
絶対買おうなんて言わない。だってそうじゃないとせっかく一つ捨てたものが意味なくなっちゃうじゃん。それじゃ意味ないんだよ、ベクちゃん。
突き放すような私の言葉にますます顔を顰める。あ、可愛い、好きだなあベクちゃんのどんな顔も。そんな呑気なことを考える。思ったより自分が優位なような立場になると人はこうにも余裕ができるらしい。
ベクちゃんにキスされた唇がまだ熱い。なのに心は酷く冷めきってて何も感じなくて、不思議だった。これが愛されてないキスの意味ってこと？
惨めな女だなあ、
『･･････それよりヨリのことあんな追い払い方しちゃダメでしょ〜？』
「は？」
『送ってくれたんだから挨拶ぐらいしなきゃダメだよベクちゃん』
「･･･」
『ヨリとは腐れ縁なの。仕事場が一緒で』
「もうあいつと呑みに行かないで」
『･･････』
「なんで俺が帰ってきてA居ないの？そんで他の男と呑み？絶対だめ」
『･･･』
本当に惨めな女だなあ、私、これって嫉妬？そう言う都合のいい解釈するけど。ヨリとはそういうんじゃないのに嫉妬してくれてるの？
その可能性として考えられる事実に口角が上がる。冷め切っていた先程の心も何故かちょっと熱くなった気がした。
でも、聞き捨てならない。
なんで帰ってきて私が居ないかって？それがダメ？じゃあ、ベクちゃんが私にしてる事は一体なんなのかなあ。
都合のいい女、という言葉が頭に浮かんだ。
ああ、そういうことか。
そしてまた心が冷えた。お酒も沢山呑んで身体はアルコールで熱いはずなのに酔っている気分でもなくて目がどんどん覚めていく。
『･･････ベクちゃんってさあ、』
「･･･なに」
『･････････ううん、何でもない。嫉妬なんだ？』
「悪い？」
『ううん、嬉しい』
「分かったならもう駄目な〜」
『うん』
「･･････ね、A今日したい･･･」
ベクちゃんの熱っぽい目が私を捕える。前はそれが嬉しかったのに。
ああ、明日は何を捨てようかな。
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りん(プロフ) - 百川さん出来れば、消さないで欲しいです。思い出の物とその時の気持ちを捨てるって難しいですね… (2020年2月6日 20時) (
レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 仕方ないです。少なくとも、時間がかかりますね。アイドルが結婚これは、永遠の課題。 (2020年1月19日 20時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - すごく分かります！またお会いできることを願っております！ (2020年1月18日 23時) (レス) id: a54c710a34 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 来年の更新楽しみにしてます！ (2019年11月7日 1時) (レス) id: b8cc8aaaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - こんにちは。 来年まで楽しみにしています！ (2019年11月6日 8時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百川 | 作成日時：2019年4月14日 0時
