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繋がらない電話、返事のない家督、何も無い部屋。Aの存在が掻き消された部屋。そうさせたのは、紛れもなく俺。息が詰まりそうになる、Aが居ない。
携帯が何度か鳴るけれど、それは俺が求めている相手ではない。おかしい、なんで俺こんな事思ってるんだろう、ヌナからの電話が嬉しくない、ヌナじゃないんだ。
「･･･ヌナ」
「っベク！なんで何回も出ないの！」
「ごめ、ん」
「･･･ベク？どうしたの？何かあった？」
「･･･」
「･･･彼女どうなったの？･･･追いかけて行って欲しくなかった」
「･･･」
「ベク･･･？」
Aだったら言ってくれないような、可愛い嫉妬のようなヌナの言葉。俺が欲しかった彼女という立場の子がする嫉妬とか愛情表現とか、それを全部くれたヌナ。だから好きだった。それが愛おしくて、可愛らしくて。
「ヌナ、」
「･･････ベク、いや」
「Aが出てった、」
「ベク、やめて」
「俺、」
「ベク！！嫌！私が好きなんでしょ？！」
「･････････Aが好きだ、」
絞り出すような声になる。涙が止まらなくて、俺ってこんな最低で弱くてどうしようもない男なんだって今更実感して、
その後ヌナは何も言わなかった。俺はまた言葉を絞り出す。
「ヌナ、本当に、ごめん、」
「クソみてえな俺を、許して、」
「･･･終わりにすること、許して」
もういい、そう最後に聞こえたヌナの声はとても小さくて震えてて、ヌナの名前を呼ぼうとした時にはもう電話は切れていた。そしてまた、なんの音もしない空間が俺を苦しめる。
涙と一緒にハッと乾いた笑いが出てきた。自分の愚かさに馬鹿馬鹿しさしかこみ上げてこなかった。
すきだ、好きだ、
会いたい、抱きしめたい、どうしてこんな簡単なことが馬鹿なことを犯す前に思えなかったんだろう。
ふと目に入った時計は、二人で買いに行った時計じゃなくて俺が一人暮らししてた時に使っていたデジタル時計。はは、マジかよ、そこまでか、
時間はもう深夜を指していて明日も仕事はある。もちろんAの会社に出勤。どうしよう、どうしようとなく会いたい、朝までが待てない、こんな状況でも、いや気付いたこの状況だからか。
「A･･･！」
出勤時に彼女の名前を呼べば振り返る彼女、
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『私、間違えてる？』
そう言って今俺の目の前で泣くA、好きだ、好き、
そう思った時にはもうAとの距離は無くなって、Aの唇は、熱かった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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りん(プロフ) - 百川さん出来れば、消さないで欲しいです。思い出の物とその時の気持ちを捨てるって難しいですね… (2020年2月6日 20時) (
レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 仕方ないです。少なくとも、時間がかかりますね。アイドルが結婚これは、永遠の課題。 (2020年1月19日 20時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - すごく分かります！またお会いできることを願っております！ (2020年1月18日 23時) (レス) id: a54c710a34 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 来年の更新楽しみにしてます！ (2019年11月7日 1時) (レス) id: b8cc8aaaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - こんにちは。 来年まで楽しみにしています！ (2019年11月6日 8時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百川 | 作成日時：2019年4月14日 0時
