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あの後なんとかヨリを説得して、ベクちゃんと二人で寄ったお店は昔付き合う前に何かと呑みに行っていたお店。こういう思い入れのあるお店をチョイスするのも狙い？個室だし。
変に思考を巡らせてしまうけれどお腹は正直に鳴るもんだから無心に食べてよう。なんて呑気なことを考えているとベクちゃんがいつの間にか頼んだのか飲み物が届く。
コーラと、烏龍茶、
あれ、呑みに来たんじゃ無いの？
『呑まないの？』
「俺が元からお酒弱いの知ってるのにそんな事聞くなよ･･･」
『･･･』
「それにちゃんと話したくて来たから、お前もお酒ダメね？」
『分かった』
とか言いつつも、ベクちゃんはその後から一向に何も言わないで私を見つめるだけ。何これ、朝と変わらないじゃん。仕方ないから私から話ふろうかな、
『条件付きね』
「･･････」
『今日ベクちゃんとこうやって居るの、条件付きなの忘れないでね』
「･･･どんな条件」
『今日が最後』
「･･･は」
『例えどんな弁解を聞いてもベクちゃんが何を言っても、お互いがお互いに干渉するのは』
『今日が最後っていう条件』
私もまたベクちゃんを見つめ返す。目の前に食べ物も飲み物もあるのに、結局私達どちらともそれに目も向けないでただお互いを見る。不意に思う、ああ、もっと早くこうやってお互いを見つめられたら私達良かったのだろうか。
するとゆっくり、ずっと逸らされることのなかったベクちゃんの視線が下に下がっていく。
「･･････本当に、ごめん」
『･･･』
「最低なことしてることに自覚はあったし、」
「ヌナのこと好きな自分の事も」
「Aが何も言わないことを良いことに、ずっと」
「･･･優越感とか、背徳感とかに浸ってたことも」
「俺はヌナが好きだからって」
『･･･』
ぽつり、ぽつりと呟くように言葉を発するベクちゃん。ヌナが好き、そうベクちゃんからハッキリ言われたのは初めてて、やっぱり苦しい、
『その時も私はベクちゃんのこと好きだったよ』
「･･･っ、うん、」
『だから凄く嫌だった、なんで私じゃないんだろうって』
『でも気づかせないようにしたの』
『それでベクちゃんもそのつもりなら私も捨ててやろうって思ったの』
ベクちゃんに初めて言う気持ち、何もかもがもう遅いけれど。そんな自分にまた自嘲的な笑みが出そうになった時、
「捨てんなよ･･･A、」
「俺のこと、捨てんな･･･っ」
どうして何もかも上手くいかないんだろう。
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りん(プロフ) - 百川さん出来れば、消さないで欲しいです。思い出の物とその時の気持ちを捨てるって難しいですね… (2020年2月6日 20時) (
レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 仕方ないです。少なくとも、時間がかかりますね。アイドルが結婚これは、永遠の課題。 (2020年1月19日 20時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - すごく分かります！またお会いできることを願っております！ (2020年1月18日 23時) (レス) id: a54c710a34 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 来年の更新楽しみにしてます！ (2019年11月7日 1時) (レス) id: b8cc8aaaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - こんにちは。 来年まで楽しみにしています！ (2019年11月6日 8時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百川 | 作成日時：2019年4月14日 0時
