042 ページ43
.
聞く必要なんてないよね、ベクちゃんの弁解も今の気持ちも。捨てた物をもう一回掘り返そうとする人なんていないよ、ベクちゃん。
足早にその場を去る。ああ、コーヒー全部飲んでおけばよかったなあ、何故か心が冷えて仕方なかったから。
.
.
本日二回目。
どうしてこうなった。
「だからAは俺と帰るんですよ、通じてますか？」
「あんたが言ってるだけでAはそうじゃないかもしれないですよね？」
「はっ、それがそうじゃないんですよ、まあ元！彼氏には言う必要ないので理由は言いませんけど」
「は？あんた何を知って･･･！」
「さあ？とりあえずお帰りください〜」
「っAが来るまで待ちます」
呆れた、あんな人の目が集まる会社の正面で何を言いあってるんだろう。こんな表現子供っぽくて好きじゃないけど分かりやすく言ったら二人の間にはバチバチって雷がある感じ。一言で言えば幼稚。
面倒くさいなあ、しかもそろそろベクちゃんしつこいなあ。なんて冷めた気持ちと、なんで待ってるんだろうっていう純粋な疑問。
でもやっぱり面倒くさい。
『･･･何してんの』
「！A！」
「A、早く帰ろうこの人話通じない」
「ちょ、！俺にだってちゃんとAに用事があって！」
「聞く必要ないから帰ろう、ほら」
「あんたは黙ってろよっ･･･！」
両側から引っ張られて体が引きちぎれそう。正直これで今回ベクちゃんを無視したとしてもまた来そうだなあと思ったから、私はヨリの手をそっと離す。
ヨリはその大きな目をまん丸にして私を見るけど、あはは、大丈夫だよ。
『ベクちゃん呑みに行こう』
「は？ちょA･･･嫌だよ、心配で行かせらんない」
『大丈夫だよ、ヨリ』
「A･･･本当？」
『うん、でもその代わり、私の頼み事聞いてね』
「･･･分かった、何でもいい、ぶん殴るでもなんでも･･･」
『あはは、そんなんじゃないけど。じゃあ決まりね』
「A、」
『すぐ帰るよ』
その大きな目で私のことが心配だと伝えてくるヨリ。なんだか大型犬でも飼った気分だ。可愛い。
ふふ、と思わず笑ってみれば私の腕を掴むベクちゃんの手に力が入る。痛い、なんでそんな強く握るの。そう思ってベクちゃんの顔を見上げる、
私には到底分からない。
どうしてベクちゃんがそんな顔してるのか。
泣きそうな顔をしたいのは、私だよ、
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りん(プロフ) - 百川さん出来れば、消さないで欲しいです。思い出の物とその時の気持ちを捨てるって難しいですね… (2020年2月6日 20時) (
レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 仕方ないです。少なくとも、時間がかかりますね。アイドルが結婚これは、永遠の課題。 (2020年1月19日 20時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - すごく分かります！またお会いできることを願っております！ (2020年1月18日 23時) (レス) id: a54c710a34 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 来年の更新楽しみにしてます！ (2019年11月7日 1時) (レス) id: b8cc8aaaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - こんにちは。 来年まで楽しみにしています！ (2019年11月6日 8時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：百川 | 作成日時：2019年4月14日 0時
