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ダン！と強く壁に押し付けられる。酔っているせいか全てがスローモーションに見えるが、ベクちゃんの顔が近付いてくると認識した途端、急に意識がハッとした。
久しぶりのキスはこんなにも荒いものなのか。
久しぶりにするならもうちょっと優しいキスが良かったなあ、ベクちゃん。ヨリの事をそんなさっさと追い返して、私とこんな荒っぽいキスがしたかったの？
今日は他にいる好きな女に欲求が通らなかった？思い通りにいかなかった？
そっか、そうなるとベクちゃんはこんな風に私に当たるんだ。ふうん、ベクちゃんってそんな女に揺さぶられるタイプだったっけ。ムカつくなあ、やっぱりマグカップは割って正解だった。
「･･･んっ、ふ、」
『んぁ、』
「A･･･」
『･･････ストップ、酔い覚めた、から無理』
「･･････は？」
一瞬唇が離れたすきにベクちゃんとの顔の間に手で壁を作る。私だって思い通りになんかさせてやらない。まあ、ベクちゃんと久しぶりのキスが出来たのが嬉しかったのは、嘘じゃない。
でも、嬉しいけど嬉しくない。
ベクちゃんの顔は案の定しかめっ面で私を見ていてふざけるなって顔に書いてある。そんな顔する資格ベクちゃんにはないと思うけどね。
「･･･さっきの誰」
『ん？ああ、ヨリ』
「ヨリって？愛称なのそれ？仲良いの？」
『そうだけど』
「それで二人で飲んできたの？」
『うん、二人とも定時で上がったから』
「･･･あんな酔っ払うまで呑んでダメでしょ」
一体何が言いたいのかさっぱり分からない。
なんでそんな不機嫌なの？こっちがそうなりたい。
「距離近過ぎだし、あんな顔･･･見せていいもんじゃねえんだけど」
『･･････あんな顔って意味わかんないけど』
「自覚しとけよ、絶対あいつの前でもう呑むなよ」
そう一方的に言われて、なんで？嫌だと言おうとしたら、私が待ち望んでいたことをベクちゃんが言う。
「それと･･･なんかマグカップねえんだけど。どうした？」
『･･･うーん、あー朝寝ぼけてて落としちゃった。ごめん』
「･･･え？じゃあ割れたの？」
『うん』
「･････････明日オフだろ、新しいの買いに行こう」
ああ、もう本当にすっかり酔いが覚めた。
ベクちゃんが久しぶりにしてくれたキスで乱れたリップを手で強く拭いとる。わざとベクちゃんに見えるように。そして言う。
『ううん、新しいのいらない』
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りん(プロフ) - 百川さん出来れば、消さないで欲しいです。思い出の物とその時の気持ちを捨てるって難しいですね… (2020年2月6日 20時) (
レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 仕方ないです。少なくとも、時間がかかりますね。アイドルが結婚これは、永遠の課題。 (2020年1月19日 20時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - すごく分かります！またお会いできることを願っております！ (2020年1月18日 23時) (レス) id: a54c710a34 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 来年の更新楽しみにしてます！ (2019年11月7日 1時) (レス) id: b8cc8aaaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - こんにちは。 来年まで楽しみにしています！ (2019年11月6日 8時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百川 | 作成日時：2019年4月14日 0時
