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腐れ縁が店を飛び出していく、まて、待てよ。お前じゃない、俺が行くんだよ。俺を離さないヌナの手に、初めて嫌悪感を抱く。
Aとは違って甘えた上手で女の子っぽくて、そんなヌナに惹かれてしまって、
そんなヌナの手を嫌だなんて思ったこと無かったのに。
お前に行く資格ねえよ、そう言ったあの男の目は本気で、すぐに分かった。あ、こいつAのこと好きなんだ。嫌だ、こいつに、Aのこと渡したくない。
なんでヌナが邪魔だと思ったり、腐れ縁にAを渡したくないって思ったりしたのかは自分でも全然分かんない。けど、ずっと俺の中で、早くAの所に行かなくちゃって叫んでいて。
「っ、ヌナ！」
「なんで？あの子が行ったから大丈夫じゃないっ」
「離して、ヌナ、俺行かなくちゃ」
「･･････」
ジョンデが俺を掴むヌナの手をずっと見つめる。くそ、ジョンデの前でやめろよヌナ。自由な片方の手でヌナの手を掴むと引き剥がす。その俺の行動にヌナは酷く傷ついた顔をしていて。
でも、次の瞬間俺は走り出して、店を出て。
定員が言っていた通りにまずはとにかくA達の会社へ。けど、そこにはもう誰もいない。
会社にいないってことは、もう家だよな、あの男もいないなら、家で二人？ふざけんな、俺のAなのに、思う資格も無いことをまた思ってしまう。
マンションに着いて、エレベーターに乗れば俺達の住む階のボタンを何度も押してしまう。早く、Aの所に。扉が開いて直ぐに部屋の扉まで向かう、鍵はしまっていて慌てて鍵を鞄から取り出す、
開ければ、Aがいる。たとえあの男が隣にいても、この前みたいに追い出して、それでその後にAにキスをするんだ。ガチャ、扉を開く、なのに、可笑しい。
「･････････A？」
部屋の中は真っ暗で、Aもあの男もいない。どくん！と嫌に心臓が脈打った。ダメだ、嫌だ、A。
恐る恐る、電気をつける、その瞬間、俺の視界が歪んだのが分かった。ああ、やめろよ、なんで、今更、気づきたくなんかねえよ、
何もない、Aの存在がまるで無かったかのように、彼女がこの部屋にいた事を抹消されたかのように。いや現にそうされたのか。
小さな紙切れに気づく。バイバイ、たった一言、そう書かれた紙切れ。
馬鹿みたいに、涙が止まらなかった。
ああ、A、捨てたれたのは俺で、捨てられなかったのは、俺だった。
好きなのは、俺だった。
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りん(プロフ) - 百川さん出来れば、消さないで欲しいです。思い出の物とその時の気持ちを捨てるって難しいですね… (2020年2月6日 20時) (
レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 仕方ないです。少なくとも、時間がかかりますね。アイドルが結婚これは、永遠の課題。 (2020年1月19日 20時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - すごく分かります！またお会いできることを願っております！ (2020年1月18日 23時) (レス) id: a54c710a34 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 来年の更新楽しみにしてます！ (2019年11月7日 1時) (レス) id: b8cc8aaaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - こんにちは。 来年まで楽しみにしています！ (2019年11月6日 8時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百川 | 作成日時：2019年4月14日 0時
