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その言葉に、思わず足が止まる。もう何度か経験した、あの体温が無くなる感覚にまた襲われる。
今、この女なんて言った？
「家を空けてる日はベッキョンが把握してるらしいから」
「この前やっと誘ってくれたの、ヌナ、家に来てって」
「だから、今度行くの」
だめだ、反応するな、私。こんなのこの女の八つ当たりだ。気にするな。そう思おうとして、その場から去ろうと思うのに、全く足が動かない。寒い、苦しい。痛い。
「勿論秘密にしておくべきことだったけど、貴女がベッキョンが私のこと好きなんてなんて言うから、分からせる為に特別に教えてあげる、っ」
「三日後よ、その日の夕方から、貴女が帰ってくる時間の前まで」
「確かめたいなら仕事を早く上がって来たら？そこで目の当たりにすればいい」
『･･････』
「私がベッキョンに愛されてる事をっ」
「それに対して貴女は、」
「もう愛されてないってことをっ！」
そう言うと彼女は、また楽しそうに私を見た。何見てるの？滑稽だって？こんなに震えてる私がおかしいって？
テニさんは私の横を通り過ぎる。そのまま彼女のヒール音は客席の中に埋もれて聞こえなくなった。
がたん！と、壁にそって崩れ落ちた。
『･･････っは、』
"「ベッキョンが呼んでくれたの」"
『･･･うぁ、』
"「私がベッキョンに愛されてる事をっ」"
『っ、ぁ、･･････』
"「貴女は愛されてないって事をっ！」"
家に、呼んだ？私と、ベクちゃんの家に？
あはは、私とは全然居なくなった家に、あの女とは居たいの？私じゃなくて、あの女と？
そんなに好きなの、私とベクちゃんの家すら否定して、あの女を受け入れる程、好きなの？
『っ、す、捨てなきゃ』
『もう、今日、』
『今日、全部･･･！！！』
頬を濡らす涙が邪魔だった。何も見えない、涙で目が霞んで見えない、こんな涙流さなくていいのに。ずっと我慢できていたのに。
愛されてないのだと、第三者から言われることは初めてだった。ヨリもジョンデも、その事実を分かってはいても私には言わなかった。
だから、私自身が分かっていても涙は流さずに済んだ。
涙で顔がぐちゃぐちゃになっているように、頭の中もぐちゃぐちゃだった。
でも、たった一つだけは頭で判断することができた。それは、
「A、好きだよ」
そう言ってくれていた、ベクちゃん、貴方をもう捨てること。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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りん(プロフ) - 百川さん出来れば、消さないで欲しいです。思い出の物とその時の気持ちを捨てるって難しいですね… (2020年2月6日 20時) (
レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 仕方ないです。少なくとも、時間がかかりますね。アイドルが結婚これは、永遠の課題。 (2020年1月19日 20時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - すごく分かります！またお会いできることを願っております！ (2020年1月18日 23時) (レス) id: a54c710a34 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 来年の更新楽しみにしてます！ (2019年11月7日 1時) (レス) id: b8cc8aaaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - こんにちは。 来年まで楽しみにしています！ (2019年11月6日 8時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百川 | 作成日時：2019年4月14日 0時
