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二人とももう何時なのかも分からずフラフラ歩いていた。本当にこれで私の家に着くのかな？なんて疑問を抱きつつも、それでもしっかり私を支えてくれる手に安心した。
大丈夫、ヨリだから。
「もうすぐ着く〜ぅ〜」
『あはは〜フワフワするねヨリ』
「着くぞ〜！」
『うるさいよ』
「おまえ！本当は酔ってないな？！」
『今回は酔ってる〜』
朦朧とする意識の中で見慣れた景色が見えてきた。ほら、やっぱりヨリはちゃんと送ってくれてる。
思わず頬が緩んだ。でもそれと裏腹に酷いことも考えた。ああ、ベクちゃんもこうだったらなあ。
マンションのオートロックを開けて、エレベーターホールにまで着くと、私を支えてくれていたヨリの手が離れた。まだ部屋ついてないよ？最後まで送って行って。
そう言葉にはしないけれど、私の表情で理解したのかヨリは困ったように眉を下げた。
「ダメだろぉ、また彼氏に怒られる･･･」
『気にしなくていいのに、』
「ダメ！俺は二度過ちは起こさない！」
『わ〜優秀』
「だろ？へへー褒めろ〜」
『････････････でもダメ、送って』
「え、」
『送って、最後まで』
「･････････」
『ヨリ？』
ヨリの袖をキュッと握った。
ヨリの名前を呼んで顔を覗き込めば、その表情に一瞬何も言えなくなった。あ、私間違えたかもしれない。
ヨリは、掴まれた袖から私の手を払うと、今度はその手を強く握り締めた。そうしてヨリの方に強く引き寄せられる。おぼつかない足ではよろけてヨリに凭れるしかなくて、簡単に私はヨリの胸元に収まった。
やっぱり間違えた。
「･･･A」
『待って、ヨリ』
「俺、嫌だよ、本当は」
「ダメだなんて思ってない、いっそ俺も見せつけて、それで追い返されそうになっても、今回はふざけんなって言って」
「それでお前の彼氏の前でこうやって抱き締めて、」
「俺が貰うって言いたいよ」
『･･･』
「けど、それってお前の思うつぼでしょ？俺って結局お前にとっては何でもない腐れ縁だろ？」
「俺は、それも嫌。お前にとってそういう存在でしかなくて、でもAを大切にしないやつが彼氏っていうのがもっと嫌だ」
ヨリは私を抱きしめたまま、有無を言わさず言葉を続けた。でも私も、そのヨリの言葉に返す言葉が浮かんでこなかった。
ただ、一つだけ分かったのは、やっぱり間違えた。
ヨリの次の言葉に確信した。
「俺を利用してよ」
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りん(プロフ) - 百川さん出来れば、消さないで欲しいです。思い出の物とその時の気持ちを捨てるって難しいですね… (2020年2月6日 20時) (
レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 仕方ないです。少なくとも、時間がかかりますね。アイドルが結婚これは、永遠の課題。 (2020年1月19日 20時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - すごく分かります！またお会いできることを願っております！ (2020年1月18日 23時) (レス) id: a54c710a34 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 来年の更新楽しみにしてます！ (2019年11月7日 1時) (レス) id: b8cc8aaaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - こんにちは。 来年まで楽しみにしています！ (2019年11月6日 8時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百川 | 作成日時：2019年4月14日 0時
