Another trip over the wall[東京リベンジャーズ] (ページ47)

今日:28 hit、昨日:4 hit、合計:109,799 hit

Apologizes ページ47

あれから10分ほど経って、再び病室のドアがノックされた。

マイキーが来たようだ。

私が入室を促すと、制服姿の彼が入ってきた。

そして開口一番、

「A、ごめん。俺のせいで…」

謝罪してきた。

気持ちは分からんでもないが、これは私の意思でやった事だ。
ドラケンといい、自分を責めすぎだ。

「顔をあげてよ、佐野くん。」

「…やっぱり、怒ってるよな。」

沈んだ表情で話すマイキー。頭は下げたままだ。
なんで私が怒っていると思っているんだろう。

「え？なんで？」

その疑問を口に出す。

「だって、呼び方…」

「忘れてただけだよ。ごめん、万次郎。私は大丈夫だから。」

そういえば直されてたんだっけか。
慌てて呼び直すと、ほっとしたように顔をあげるマイキー。

ただ、顔はまだ沈んだままだ。

「本当に、まさかこんなことになるなんて…」

「いいんだよ。それに、あの場にいて逆に見捨てる方がおかしいんだから。」

「俺の事、嫌いになった？」

「いいや？万次郎は万次郎でしょ？アイツらとは関係ないよ」

ここで病まれても困るため、必死にマイキーのフォローに回る。

両者の間に、気まずい沈黙が流れる。
マイキーが沈んだまま一向に口を開かないので、こちらから沈黙を破る。

「私の意思でやったことだから。気にしないで。」

再び、沈黙が流れる。

しばらくすると、今度はマイキーが沈黙を破った。

「俺さ、オマエが怪我したって知った時、シンイチロー…俺の兄貴が死んだ時と同じ気持ちになったんだ。なんか目の前が真っ白になって、全部どうでも良くなるような気持ち。」

ポツ、ポツ、と彼は話し出す。

「俺、その時分かったんだ。オマエが、ケンチンとか、みんなと同じくらい大切なやつなんだって。
だから、」

もう少し自分を大切にしてくれよ。

「…ごめん。」

しばらく、二人の間に気まずい沈黙が漂う。
馬鹿な事をしたのは分かっている。

ただでさえ不安定なマイキーの心に、自分はダメージを与える行動をしてしまった。
それにだ。この世界で死んだらどうなるのか、私は未だにわかっていない。

誰も得をしない無茶を私はしたのだ。