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Another Side ページ45

同時刻。渋谷の街にはもう1人、無免ノーヘルでバイクを走らせる少年がいた。

マイキーだ。
彼は今、全速力で病院へと向かっているところだった。


佐藤Aは、学校では俺と並ぶくらいの有名人。
勿論、俺とは逆の意味で。
勉強ばかりしてて、先生の言うことホイホイ聞いて、そんなやつだった。
正直、何とも思っていなかった。

でも、あの日から全て変わった。

朝、何故か早く起きられたので、ホームルームに間に合う時間に学校に着た。
当然のように、俺が来た途端静まり返る教室。
誰もが下を向いている中で、あいつ一人が何故か変なポーズで固まっていた。

決定打は、給食の時。
俺は、ケンチンがいつも通りきなこ揚げパンを分けに教室に来てくれるのを待っていた。
が、なんかケンチンが来るのか遅い。我慢の限界が来て、前の席の揚げパンが残ってたから食べちゃおうと思って手を伸ばした。
次の瞬間、俺はあいつに手を掴まれた。
イラッと来て威嚇したら、次の瞬間なんとあいつは揚げパンを口にくわえてロッカーに立てこもった。

正直びっくりした。
優等生と名高いあいつが、たかがきなこ揚げパンを死守しようとしている。

正直、人が変わったんじゃないかって思った。
あまりに面白かったから、わざわざ猿芝居までましてあいつのテンションに乗ってあげたくらいだ。


その夜。

集会が終わって家に帰ろうとしたら、誰かが鉄パイプで殴られている。
武器使うなんてダセェ、と思って全員シバいたら、何と殴られていたのはあいつだった。

お礼を言ったくせに俺だと分かると逃げようとしたあいつを捕まえて、色々質問してみる。

話を聞けば聞くほど、普段の姿とはかけ離れた、面白いあいつの姿が分かる。
帰り道が、楽しくて仕方がなかった。

あいつと別れた後、俺の頭はずっとふわふわしたような心地だった。

もっと、あいつについて知りたい。そんな気持ちになっていた。
ここまでは、多分純粋な好奇心だと思う。


それから、俺はあいつに近づき始めた。
まずはあいつが登校してきた日に、捕まえてダチにした。
それから、一緒に学校に行った。
どら焼きも貰った。佐野さん呼びも直した。


あいつにちょっかいを掛けるのは、楽しくてたまらなかった。

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駅前でよく売ってるわらび餅(プロフ) - 作者の推しはマイキーとエマちゃんです。 (2021年9月4日 22時) (レス) id: d64e30d257 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:駅前で売っているわらび餅 | 作成日時:2021年8月24日 18時

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