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7. ページ41

「良かった…目覚めたんだね!あ、ごめんなさい。初めまして、私、橘日向です。」


ヒナちゃんもエマちゃんと同じく、私のお見舞いにやってきたようだった。


「初めまして。来てくれてありがとう。」

「1ヶ月、丸々寝てたんです。無事で、本当に良かった…」

1ヶ月?!ていうことは、もう夏休みは終わっちゃったのか。あーあ、夏期講習…

その後、ヒナちゃんは泣いて殆どマトモな会話ができないエマちゃんの代わりに、ここ1ヶ月で起きた出来事を私に話してくれた。
ドラケンは、助かっていた。

そこまで話したところで、急にヒナちゃんの顔つきが真剣になった。

「エマちゃん、話したいことあるんじゃなかったっけ。」


ヒナちゃんがそう言うと、エマは涙でぐちゃぐちゃの顔をあげて、話し出した。

「ウチらね、誰かに助けられたの。」

「うん」

「ウチが救急車を呼ぼうとした時、愛美愛主の男2人に絡まれたの。その時にね、ヒーローのお面をつけて、甚平を着た子が庇ってくれたんだ。おかげで、ウチらは救急車を呼べて、ドラケンも助かった。」

「うん。」

「雨の音でよく分からなかったけれど、今思えばあの声、Aちゃんに似てた。」


バレていたか。一人称も変えて、髪型も短く結って、なるべく男の子に見えるように工夫したつもりではあったが。


「ドラケン君の手術が終わったあと、病院にもう1台救急車が来たの。びっくりした。だって担架の上にいたのは、あの甚平を着たAちゃんだったんだもん。」

「バレちゃったか…」


「Aちゃんが、助けてくれたんだね。ありがとう。…でも…」


エマちゃんの目から、再び涙が零れる。
ヒナちゃんも、つられて泣き出す。


「死んじゃったかと思った…もっどじぶんをだいぜづにじでよ、A…」

「ごめん…ごめんね…」


つられて、私まで泣きたくなってしまった。

しばらく、病室には3人の泣き声だけが響いていた。

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駅前でよく売ってるわらび餅(プロフ) - 作者の推しはマイキーとエマちゃんです。 (2021年9月4日 22時) (レス) id: d64e30d257 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:駅前で売っているわらび餅 | 作成日時:2021年8月24日 18時

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