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Am I alright?(ここまで改稿) ページ5

初めは言い間違いを疑った。
しかしよく考えたら現場に出る前に鍛え抜かれたN〇Kのアナウンサーがそんな頓珍漢な言い間違えをするわけが無い。
彼らがテレビでそう言うからには、今は確かに2005年なのだ。




成程、確かに2005年にはまだスマホが無い。枕元を探しても無かった訳である。
スマホ神隠し事件については納得した。


物理的常識とかを放り捨てて考えるとするなら、今私の身に起きたことについて出せる結論はひとつ。

私はタイムリープした。
2021年から、2005年へ。


テレビを弄ればアナログはまだ映るし、母親が手にしているのは所謂ガラケーだ。



このシチュエーション、どこかで覚えがある。

昨日読んでた漫画だ。

確か、主人公がタイムリープして昔の恋人を救う話。

まだ1周しか読まないうちに寝ちゃったから今日は勉強したら2周目を読みたい。

一瞬考えが脱線しかけたが、再び思考をこの事態へと戻す。

しばらく考えて、私は1つ陳腐な仮説を編み出した。

もしかして、これは夢では無いのか。全て自分の思いどおりになるタイプの。
確か、明晰夢。



寝る前最後に考えたことが夢に出てくるのはよく聞く話。
そうならば、むしろこの状況は嬉しい。
タイムリープは、1度やって見たかったからだ。



でも、夢ならばもう覚めなけらばならない時間だろう。
そんなに真面目と言う訳でもないが、なんか後ろめたい気分になるから遅刻はしたくない。

私はそっと自分の頬っぺに手をかける。
夢から覚める手段と言えば、これ。




私は思いっきり、自分の頬っぺをつねった。

しかし何も起きない。




タンスの角に頭をガンガンぶつけてみる。

何も起きない。


頭にヒリヒリと走る痛みをかき消すかのように、嫌な仮説が頭を駆け巡る。

まさか、現実。

私は本当にタイムリープしたのか?

しかし、なぜ2005年に。



おかしい。



何故2005年なのに私は中学生なんだ?




慌ててご飯をかき込んで、自分の制服を探しに行く。
違う。こんな制服知らない。



玄関から飛び出し、家の外の景色を見渡す。
違う。家の色も、建物の配置も、何もかも。




身体から血の気が引いていくのを感じる。






私はタイムリープなんかしていない。




もっと大変なことが、今私の身に起きている。

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駅前でよく売ってるわらび餅(プロフ) - 作者の推しはマイキーとエマちゃんです。 (2021年9月4日 22時) (レス) id: d64e30d257 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:駅前で売っているわらび餅 | 作成日時:2021年8月24日 18時

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