Another trip over the wall[東京リベンジャーズ] (ページ31)

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放課後。

私は速攻教室を飛び出して、あの公園へと向かった。広場がよく見える木の上に隠れて、様子を伺う。

私の目的は一つ。事態が原作通りに動くかどうか、見守ること。
ついでにあの名シーンも拝むこと。

広場が何やら騒がしくなってきた。
喧嘩賭博の始まりのようだ。

「ちょっと待った！」

タケミチの声が広場に響き渡る。
いよいよ、物語が動き出す。
ただでさえ読んでいてゾクゾクしたこの場面。
LIVEで見ることが出来るとは夢にも思っていなかった。

「キヨマサ先輩

タイマン買ってくれよ」

盛り上がる会場。

に響き渡る、人を殴る音とタケミチの呻き声。
分かってはいたが、ボコボコにされている。
私が関わると漫画の展開に影響するので、ただ彼が殴られているのを指をくわえて見ているしかない。

「引けねぇんだよ！！！」

ボコボコににされてもなお、立ち向かうタケミチ。
漫画ではカッコイイ…って考え無しに思っていたけれどやはり現場で見ているとタクヤたちの心情が正解だ。

「バット持ってこい！」

ついにキヨマサがバットを要求した。

さあ今だ、来い！ドラケン！

「オイキヨマサー

客が引いてんぞー」

来た！ドラケン！
ここまではOKだ。あとは彼の後ろにどら焼きを貪るマイキーがいれば…

「お疲れ様です、総長！！！」

居る！

良かった、展開は戻っている！

あとはあの名シーンの鑑賞を楽しむだけだ。

ドラケンが蹴り一撃でキヨマサを沈め、マイキーがタケミチの方へと歩み寄る。

マイキーがタケミチへと一気に近寄り、タケミチは腰を抜かして地面へと倒れた。

「オマエ名前は？」

「は…花垣武道」

「そっか、タケミっち」

来た、名シーン！完の璧に漫画通り。ガッツポーズが止まらない。

「マイキーがそう言うんだからそうだろ？タケミっち」

へっ？と間抜けな声を出すタケミチにマイキーはさらに近づく。

「オマエ本当に中学生？」

ギクッとした表情のタケミチ。
さて、そろそろあのセリフだ。胸の高鳴りが止まらない。

「タケミっち今日から俺のダチ！！なっ♡」

その後、マイキーはキヨマサを漫画の通りにボコボコにし、タケミチに満面の笑みを振りまいて広場から去っていった。