Awakening.2 ページ4
リビングでは、母親がいつものように朝食の準備をしていた。
卵と肉の焼ける良い匂いが、私の鼻をくすぐる。
母親は私に気がつくと、にこやかに挨拶をする。
いつもの朝だ。
「おはよう、A。今日は早いのね。」
「目が覚めちゃってさ。お腹も空いたし起きることにしたの。」
「いっつも8時過ぎまで眠りこけているのに、珍しいわね。雪でも降るんじゃないかしら」
ここで私の頭の中にクエスチョンマークが浮かぶ。
8時過ぎ?そんな時間まで寝てたら遅刻する。母は何を言っているのだろう。
「そんな寝てたっけ、私。」
「いつも起こしてるじゃない。そんなことよりA。高校どこ受けるか決めたの?」
また、クエスチョンマークが浮かぶ。
高校?大学の間違いじゃないのかな。やっぱり今日は何かがおかしい。部屋も、母も。
「私、もう高校生なんだけど」
「何寝ぼけたこと言ってるのよ。あんたまだ中3じゃない。」
母は呆れ顔でご飯をテーブルに置く。
ベーコンエッグとご飯とサラダで構成された、いつも通りの、美味しそうな朝食。
頭の中のクエスチョンマークと食欲を天秤にかけたところ、食欲が勝ったのでとりあえず席につき、テレビのリモコンの電源ボタンを押す。
いただきます。ご飯を口に運びながら、朝のニュースを見る。
ちょうど始まったばかりのようで、キャスターのハキハキした声がテレビから聞こえてくる。
「おはようございます。2005年、7月1日。朝のニュースをお送りします。」
その瞬間、私は手に持っていた箸を落とした。
今、なんて言った?2005年?
嘘だ。今日は2021年7月1日の筈だ。
前言撤回、何がいつも通りだ。
Am I alright?(ここまで改稿)→←Awakening
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駅前でよく売ってるわらび餅(プロフ) - 作者の推しはマイキーとエマちゃんです。 (2021年9月4日 22時) (レス) id: d64e30d257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駅前で売っているわらび餅 | 作成日時:2021年8月24日 18時