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「Aってさ、好きな食べ物やっぱりきなこ揚げパン?」
「それに限らず甘いものならなんでも好きだよ」
「その腕もう痛くないの?」
「冷やしたら何とかなったよ」
「どら焼き持ってない?」
「持ってるわけないでしょ」
「ねえ今日暇?」
助けて。
マイキーからの質問攻めのせいで、一向にドラケンに話しかけられない。
まあ予想がつかなかったわけじゃない。
作戦変更。
質問攻めに合ったら、こちらも質問で返す。とりあえず会話のペースをこちらに持っていかなければならない。
「あのさ、佐野君もあのー…トーマン?って所の人?」
「そうだよ。それがどうかしたの?」
食いついた!地味にマイキーの三人称に困るな…
「なんか最近、この辺でトーマンって団体が喧嘩賭博をやってるって聞いて…佐野君もなんか関係あるのかな…って」
「あ?それ、もっと詳しく聞かせろ」
よしドラケンも食いついた!
私は喧嘩賭博の実態、主催、場所や時間を事細かに伝える。
ドラケンのこめかみがピクリと動いた。
順調におブチ切れになられている。
ここで私は予定通り、マイキーの方にトドメを刺しに行く。ちょっとキャラではないが仕方あるまい。
「なんか、そんな怖いことしてる人のトップの佐野君も、怖い人なのかなってちょっと思っちゃって…ね。」
少し伏し目がちにして、怯えた様子を見せる。
目が会わないように彼の方を伺うと、マイキーのこめかみもピクリと動いていた。
完璧だ。
しっかりおキレになられた2人は、目を合わせて頷く。
「おいマイキー、今日放課後それ潰しに行くぞ」
「ん〜」
作戦第一段階は成功だ。
あとは公園で張って、原作通りに事態が動くか見守るのみ。
念の為、ドラケンにダメ押しもしておこう。
「龍宮寺君、ちょっといいですか」
「どうした、佐藤さん」
「佐野君が行くの面倒だってゴネたら、これ渡して機嫌とってください。」
そう言って私は、カバンからそっとどら焼きを取り出し、ドラケンの懐にぶち込んだ。
そう、秘策。
モノで釣る。
ドラケンがなんか苦笑いに近い表情をしているが気にしない。
「まあ…教えてくれてありがとうな、佐藤さん。念の為だけど放課後は公園に近寄るなよ。」
「ありがとう、龍宮寺君。分かってるよ。」
まあ見えないところから事の顛末は見守らせていただきます。
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駅前でよく売ってるわらび餅(プロフ) - 作者の推しはマイキーとエマちゃんです。 (2021年9月4日 22時) (レス) id: d64e30d257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駅前で売っているわらび餅 | 作成日時:2021年8月24日 18時