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4. ページ30

「Aってさ、好きな食べ物やっぱりきなこ揚げパン?」

「それに限らず甘いものならなんでも好きだよ」

「その腕もう痛くないの?」

「冷やしたら何とかなったよ」

「どら焼き持ってない?」

「持ってるわけないでしょ」

「ねえ今日暇?」

助けて。
マイキーからの質問攻めのせいで、一向にドラケンに話しかけられない。

まあ予想がつかなかったわけじゃない。
作戦変更。
質問攻めに合ったら、こちらも質問で返す。とりあえず会話のペースをこちらに持っていかなければならない。


「あのさ、佐野君もあのー…トーマン?って所の人?」

「そうだよ。それがどうかしたの?」


食いついた!地味にマイキーの三人称に困るな…

「なんか最近、この辺でトーマンって団体が喧嘩賭博をやってるって聞いて…佐野君もなんか関係あるのかな…って」

「あ?それ、もっと詳しく聞かせろ」


よしドラケンも食いついた!
私は喧嘩賭博の実態、主催、場所や時間を事細かに伝える。
ドラケンのこめかみがピクリと動いた。
順調におブチ切れになられている。

ここで私は予定通り、マイキーの方にトドメを刺しに行く。ちょっとキャラではないが仕方あるまい。

「なんか、そんな怖いことしてる人のトップの佐野君も、怖い人なのかなってちょっと思っちゃって…ね。」

少し伏し目がちにして、怯えた様子を見せる。
目が会わないように彼の方を伺うと、マイキーのこめかみもピクリと動いていた。
完璧だ。


しっかりおキレになられた2人は、目を合わせて頷く。


「おいマイキー、今日放課後それ潰しに行くぞ」

「ん〜」

作戦第一段階は成功だ。
あとは公園で張って、原作通りに事態が動くか見守るのみ。

念の為、ドラケンにダメ押しもしておこう。

「龍宮寺君、ちょっといいですか」

「どうした、佐藤さん」

「佐野君が行くの面倒だってゴネたら、これ渡して機嫌とってください。」


そう言って私は、カバンからそっとどら焼きを取り出し、ドラケンの懐にぶち込んだ。


そう、秘策。
モノで釣る。
ドラケンがなんか苦笑いに近い表情をしているが気にしない。


「まあ…教えてくれてありがとうな、佐藤さん。念の為だけど放課後は公園に近寄るなよ。」

「ありがとう、龍宮寺君。分かってるよ。」


まあ見えないところから事の顛末は見守らせていただきます。

5.→←3.



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駅前でよく売ってるわらび餅(プロフ) - 作者の推しはマイキーとエマちゃんです。 (2021年9月4日 22時) (レス) id: d64e30d257 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:駅前で売っているわらび餅 | 作成日時:2021年8月24日 18時

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