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Affidavit.2 ページ25

どう?納得した?とばかりにドヤ顔をするマイキー。

どうやら不良、というか彼の中では逃げずに戦うことが誉であるらしい。武士か。
彼が私に絡む理由は分かったけれど、関わり合いにならない方がいいことに変わりはない。


「あの時はどうもありがとう。じゃあ」


そう言って再び逃げようとしたが、今度は体をグイッと持っていかれ、肩を組まれる姿勢になった。
近い!


それだけでは終わらず、顔が一気に近づく。
ハンサムがどアップになった。
急な距離感の変化に、目のピント調節が追いつかない。
一瞬、彼の顔がぼやけて再び鮮明に見える。
景色がクリアに戻った時、マイキーはこれでもかと言うくらいに笑顔でこう言った。




「じゃあ、オマエ今日から俺のダチ。なっ♡」




「へっ…?」



唇の端がヒクヒク痙攣するのを感じる。
突然の展開に脳が理解を拒む。
あのマイキーと、友達になってしまった。
物語の本筋に関係ないどころか、この世界の人間ですらない私が。


まずい。


そうこうしているうちに、マイキーは私の肩を組んだまま教室へと進んでいく。


周りからの目線が痛い。
これでこの学校のみんなからすれば私も不良のお仲間入りに見えてしまうだろう。
考えるだけで頭も痛い。



瞬間、私の頭に稲妻が走った。


もしかして、この状況使えるのではないか?


原作を元に戻すためのチャンスなのではないか?


関わり合いにならないより、仲良くなって彼等を上手く原作通りに動かせば、現実世界の漫画は元に戻るかもしれない!


幸い、元々の原作の内容は完璧に記憶している。


私はそれに沿って黒子として、原作から見えない視点で彼等を動かせば良い。
今は、時間軸的にはまだ原作が始まる前だ。
作戦を立てる時間もある。




上手くいくかは分からない。
ただ、できることはそれしかない。


助けてくれる人は誰もいない。
たった1人でやるしかない。




自分の失敗の責任は、自分で負う。








絶対に、全部元に戻してやる。

閑話休題→←Affidavit



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駅前でよく売ってるわらび餅(プロフ) - 作者の推しはマイキーとエマちゃんです。 (2021年9月4日 22時) (レス) id: d64e30d257 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:駅前で売っているわらび餅 | 作成日時:2021年8月24日 18時

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