Adversary ページ17
再び、頭に鈍い痛みを感じて目を覚ました。
顔をあげると、帰りの準備をしている皆と、手をグーにして仁王立ちしている友人。
「あんたいつまで寝てるつもり?もう授業全部終わったんだけど。」
「また殴ったの?酷いよ…」
「やっぱり今日のA別人みたいだよ。いつもは授業でも積極的に発言するし授業終わったら風のような速さで塾行くのに…」
「今日色々あって疲れてて…」
本当に別人です、とは言えない。
ありがたい事に友人はあまり深く疑うことはしなかった。
「そっか。じゃあ塾行きながらその話聞かせてよ」
こうして友人と2人で塾へと向かうことになった。
正直塾の場所も分からないから、非常に有難い。
道すがら、彼女に今日起きたことを話す。
「あんた食い意地だけはいつも通りなんだね。」
「酷いなぁ。こんな大変な目に合ったのに」
「揚げパンごときに意地張るからよ」
「あれは私の大好物だから。」
そうこうしているうちに塾に着く。
友人によれば私は特進クラスらしい。一般クラスの友人とはここでお別れだ。
塾の教室の位置すらろくに覚えていない私を怪訝な目で見て友人は教室へと消えていった。
くどいようだが私は高校生だ。
特進クラスと言えど、中学内容の塾の授業は退屈である。
それに今日は色々ありすぎて疲れている。
当然のように襲い来る睡魔に負けてしまった。
「起きろ、佐藤。もう授業終わったぞ。」
しまった、先生に起こされてしまった。
授業で爆睡されたんだ、さぞかしご立腹だろう。
「お前が寝るなんて珍しいな。もう外が暗いから気をつけて帰れよ。最近、治安も悪い。」
この世界の私よ、真面目でいてくれてありがとう。
塾から出ると、そこはもう真っ暗だった。
今朝からの記憶を辿りながら、家への道を進む。
遠くからバイクのコールが聞こえる。
もしかしたら、東卍の誰かかな。
漫画のファン(昨日なったばかりだか)なりの妄想が進む。
せっかくこの世界に来てしまったのだ、それくらい楽しんでおかねば損だ。
ニヨニヨしながら夜道を1人歩く。
この時、完全に妄想に気を取られて、私は後ろから聞こえる足音に気が付かなかった。
刹那、後頭部に衝撃が走った。
一体、何だ。
慌てて振り向くと、そこには鉄パイプを持った男が3人、立っていた。
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駅前でよく売ってるわらび餅(プロフ) - 作者の推しはマイキーとエマちゃんです。 (2021年9月4日 22時) (レス) id: d64e30d257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駅前で売っているわらび餅 | 作成日時:2021年8月24日 18時