48：因縁 ページ48
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「その呪霊達は意思疎通が図れたし、同等級の仲間もまだいるだろう。敵さんだけじゃない。秤に乙骨、そっちの東堂。生徒のレベルも近年急激に上がってる。
去年の夏油傑の一件。そして現れた、宿儺の器」
「何が言いたい」
じーさんの声が一つ、低くなる。だが、そんなのはまるで気にしないとでも言うように──実際そうだが、悟は喉を鳴らした。
「分かんないか。アンタらがしょーもない地位や伝統のために塞き止めていた力の波が、もうどうしようもなく大きくなって押し寄せてんだよ。これからの世代は『特級』なんて物差しじゃ測れない。
牙を剥くのが
うわぁ、こりゃかなりご機嫌斜めだな。
ほら、じーさんも怒ってるよ。隣の女子ビビってるって。頑張って隠してるけど。
「おー怖！！言いたいこと言ったから、退散しよーっと」
そう言って立ち上がった。続いてじーさんの顔がこちらに向いたかと思うと、不意に視線が交わる。
「どういうつもりだ」
「どうって？別に俺は悟について来ただけですけど」
「10年前の貴様の仕打ち、忘れたわけではあるまい」
「えぇ、マジで？まだ根に持ってんの？怖…」
夜蛾さんといい、なんでみんな覚えてるわけ？俺そんなに変なことしたっけ？
つーか、10代のガキに必死になるじーさんってどうなの。大人気なさすぎだろ。あ、腐ったミカン(悟の受け売り)だからか。
「別に許さなくてもいいけどさぁ、謝る気はないんで。そこんとこよろしく」
そもそもアレは俺が悪いんじゃねーし。たまたまだし。
納得なんてするはずもないじーさんはこれでもかと眉間に皺を寄せていたが、そんなのはまぁ無視。早々に部屋を出ようとしたが、目の前にいた悟のニヤけ面がムカついたから軽く蹴った。
そうしてようやく出たところで、悟は何を思い出したのか部屋へと戻り「夜蛾学長は2時間位でくるよー」と呑気な声を上げた。ねちっこい嫌がらせだな。
「いやぁ、楽しかったねえ」
「俺は10年間根に持ってたことに引いてる」
「確かに。あれ、なんで喧嘩したんだっけ？」
「お気に入りのギター燃やした」
俺の言葉に──どこにウケる要素があったのかはわからんが、「ブッフォ」と盛大に吹き出した悟。
仕方ねぇだろ。上にグチグチ言われてむしゃくしゃしてたところにちょうどギターが置いてあったんだよ。壊してくださいって言ってるようなもんだろーが。つか、じーさんのって知らなかったし。
「おい。いつまで笑ってんだよ」
「ククッ…いや、だって、最高でしょ…っ」
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朝茶(プロフ) - もぶさん» ありがとうございます！そう言っていただけるとますます頑張れます！これからもよろしくお願いいたします！！ (2022年9月19日 21時) (
レス) @page20 id: 6d4df1d25a (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - この作品すごい好きです！更新頑張って下さい！！ (2022年9月19日 15時) (レス) @page19 id: 38a56b994f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無季 | 作成日時：2022年7月9日 21時
