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37:変化 ページ37

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「皆優秀だよ。特に三年秤、二年乙骨。彼らは僕に並ぶ術師になる」




そこまで言ったところで、悟は強く拳を握った。


悟なりに思うところがあるんだろう。悠仁を目にかけてるみたいだったし。こうも簡単に奪われてしまった未来を、ソレを許してしまった自分を、悔やんでるのかもしれない。



でも俺は、なんとなく、なんとなくだけど──





「おわっ!!フルチンじゃん!!」





ここで終わりじゃない気がしていた。あくまでも勘でしかなかったが、目の前で動く見慣れた姿にソレは正しかったと気づく。

ほんの数秒前まで死んでいたのが嘘に思えるくらい生前と変わらず動く悠仁。だが、これは夢じゃない。



悠仁は生きている。まだ、死なせない。





「悠仁」

「お、兄ちゃん。ただいま!」

「とりあえず生き返ってくれてよかった。けど、あとで説教な」

「えっ、今生き返ったばっかなんだけど!?」

「記憶が新しいうちに聞くのが一番だ」

「辛辣……」





しょぼくれる様子を見て、思わず口元が緩む。


──よかった。帰ってきてくれて。

ゆっくりと悠仁に向かって手を伸ばす。





「おかえり。悠仁」





 


 
──────────





ひとまず悠仁のことは潔高に任せて、悟と硝子と一緒に外へ出る。本当はもう少しそばにいてやりたいが、生憎これから任務が入ってて行かなきゃならない。チッ、クソが。





「あー報告修正しないとね」

「いや、このままでいい。また狙われる前に悠仁に最低限の力をつける時間が欲しい。記録上、悠仁は死んだままにしてくれ」

「んー?じゃあ、虎杖がっつり匿う感じ?」

「いや、交流会までには復学させる」

「何故?」

「簡単な理由さ。若人から青春を取り上げるなんて、許されていないんだよ。何人たりともね」





どこか嬉しげにそう言った悟。俺はたまらず硝子に耳打ちした。





「アイツ、10年で頭も糖分になったのか?」

「ん?あぁ、確かに丸くはなったな」

「丸いっつーか、甘い」

「私も最初は驚いたよ。真面目に診察してやろうかと思ったさ」

「ちょっと胃がもたれそう」

「わかる」

「オーイ、キコエテマスヨー」





俺の記憶にある悟はまさに天上天下唯我独尊を絵に描いたような男だった。配慮もできねぇし、口も悪いし。甘党なのが唯一のギャップなくらいで、硝子にはクズ呼ばわりされてた。



この10年で悟に何があったのかは知らない。
けど、昔より『自由』に見える。


話してくれとは思わないが、オマエが少しでもこの世界で生きやすくなったのなら、それはきっと必要な変化なんだろう。





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朝茶(プロフ) - もぶさん» ありがとうございます!そう言っていただけるとますます頑張れます!これからもよろしくお願いいたします!! (2022年9月19日 21時) (レス) @page20 id: 6d4df1d25a (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - この作品すごい好きです!更新頑張って下さい!! (2022年9月19日 15時) (レス) @page19 id: 38a56b994f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無季 | 作成日時:2022年7月9日 21時

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