29：イカれてる ページ29
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悠仁と野薔薇がビルに入って暫く。突然悟が悠仁をイカれてるとか言い出したから一発ぶん殴ってやろうかと思ったが、案の定無限で弾かれた。まぁ、
確かに、悠仁には呪術師として天賦の才のようなものがある。今まで呪いの存在すら知らずに生きてきたにもかかわらず、躊躇なく呪いに立ち向かえるのは確かにイカれてると言えるかもしれない。
呪術師になっても、志半ばで挫折していった者は少なくない。
この仕事を続けるなら、多少のイカれ具合は必要だ。どうやらそれを試したいらしい。特に東京では呪いのレベルが違う。地方での経験が長い野薔薇にそれを乗り越えられるイカれっぷりがあるのか知りたいと悟は言った。
「そういえば、さっき何してたの？」
「あー、いつものやつだよ」
「どうだった？」
「変わりなし。あ、でも、この前宿儺の呪力はなんとなくわかった」
「へぇ。Aが感じるなんて流石は呪いの王だ」
「さっきからなんの話してるんですか」
話し込む俺達に伏黒が問いかける。
思いっきり忘れてた、って言ったら怒られそうだな。やめよ。
「呪力感知の話。俺、気配とかわかんねぇから」
「…は？」
「クックック。そりゃ驚くよねぇ。見えるのに感じないんだよ、コイツ」
「……術式関係ですか」
「正解。頭いーな。ま、術式はそのうちわかるだろうけど、俺が呪力感知できないことだけは覚えてもらえると助かる。背後取られたらヤバいから」
「はあ…」
俺は呪力感知ができない。でも、呪霊はちゃんと見えるし術式も使える。並の術師でも会敵した呪霊のレベルは大体把握できるが、俺はそれすらできない。そもそも呪力を感じないからだ。3級と4級、2級と3級等々の違いも全くわからん。流石に特級は知性が違うから行動パターンでわかるけど。あ、でも気配もわかんないからマジで視認するまでは手の出しようがない。
そんなわけで、背後を取られるとマジでヤバい。対応遅れたら瞬殺。だから基本残穢を追うことに徹底してるけど、宿儺は例外だったな。初めて呪力を感じた。なんか凄かった。
──ふと、ビルの中から呪霊が飛び出してくる。
恵が祓うと言ったのを悟が制すると、呪霊の内側からは釘のようなものが飛び出し、消えていった。多分アレが野薔薇の術式だろう。
うん。ちゃんとイカれてんな。
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朝茶(プロフ) - もぶさん» ありがとうございます！そう言っていただけるとますます頑張れます！これからもよろしくお願いいたします！！ (2022年9月19日 21時) (
レス) @page20 id: 6d4df1d25a (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - この作品すごい好きです！更新頑張って下さい！！ (2022年9月19日 15時) (レス) @page19 id: 38a56b994f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無季 | 作成日時：2022年7月9日 21時
