22：面談 ページ22
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あれからすぐに悠仁が来て、夜蛾さんとの面談が始まった。とはいえ、どんなことをするのか知らない俺は奥に下がり悟と共に二人の様子を眺めることにした。
来て早々何を話すのかと思えば、高専に何をしに来たのかと問う。呪いを学び、祓う術を身につけてその先に何を求めるのか。どうして呪いに立ち向かうのか。そこにある己の意志は何か。
決して綺麗とは言えないこの仕事に立ち向かうには、それなりの覚悟と動機が必要だ。有耶無耶なまま続けたところで、どのみち長くは持たない。
「……ん、あー、なんかわかっちゃったかも」
「何が？」
「いや、試されてんなって話」
「あぁ…僕らの時はなかったからねぇ」
それもそうだが、俺が思っているのはさっきの夜蛾さんとの会話。今思えば、俺を試してた部分もあったんだろう。まあでも、俺の人間性なんて10年前の時点でよくわかってるはずだし、今更重要視することでもない。
そんなことを思いながら呪骸にボコられる悠仁を眺める。
「うわ、懐かし〜。昔オマエらが喧嘩した時よく呪骸にボコられてたよな」
「いや、オマエも人のこと言えないからね」
「あ、殴られた。相変わらずあの趣味はよくわからん」
「聞けよ。それは同感」
夜蛾さんの人形の趣味はかわいいのかかわいくないのかよくわからん。けど、悠仁はかわいいって言ってたし、多分かわいい。
あー、殴られる悠仁って何年ぶりに見るんだろ。昔はよくじーちゃんにゲンコツ喰らってたっけ。そのたびに俺のところに来て拗ねてたんだよなぁ。かわいい。たまに俺が帰るとさ、満面の笑顔でにーちゃん、にーちゃんって…抱っこしてやるとお空飛んでるみたいってめちゃくちゃ楽しそうにすんの。もう天使。ほんとかわいい。勿論今もかわいいけど。
「生き様で後悔はしたくない」
──でも。いつの間にか、こんなにも成長して。
自分の生き方を決めれるくらいに立派になった。
もう俺の後を追いかけるだけの悠仁じゃない。
寂しいような、嬉しいような。
これも、"家族"なんだろうか。
「……、…ちゃん、兄ちゃんッ！」
「ッ……あ、あぁ、悠仁か」
「大丈夫？なんか考えてたっぽいけど…」
「いや、大丈夫だ。それよりどうした？」
「面談終わったから今から部屋行くんだけど、兄ちゃんも来んかなーって」
「部屋？行く」
「じゃあ行こ！」
あの頃よりも大人びた笑顔。
それでも俺に笑いかけてくれる様子は何も変わらない。
この笑顔を、悠仁を、俺はあとどれだけ守れるだろう。
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朝茶(プロフ) - もぶさん» ありがとうございます！そう言っていただけるとますます頑張れます！これからもよろしくお願いいたします！！ (2022年9月19日 21時) (
レス) @page20 id: 6d4df1d25a (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - この作品すごい好きです！更新頑張って下さい！！ (2022年9月19日 15時) (レス) @page19 id: 38a56b994f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無季 | 作成日時：2022年7月9日 21時
