3：噂 ページ3
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「あ、やべ。部活行かなきゃ」
「んー？オマエ何部？」
「オカ研」
「あー、あの廃部ギリギリのとこな。楽しいか？」
「おう！結構気に入ってるんだ」
そう言って楽しそうに笑った。出ていこうとするのを呼び止めて、見慣れた桜色の髪をそっと撫でる。
突然のことに驚いたのか、不思議そうに見上げてくるから思わず笑ってしまった。
「センセ、学校ではやめろって言ってなかった？」
「誰も見てないからいーんだよ」
「そういうもん？」
「そういうもん」
ふーん、と俺にされるがままの悠仁。
「へへっ。俺、これ好きだなぁ」
少し照れたように、顔を赤らめながら俺に向けて笑顔を見せる。
……何だこれ。拷問か。むり。かわいい。
「…オカ研の顧問なろうかな」
「？センセー、弓道部顧問じゃなかった？」
「副顧問な。でも正直つまんねーよ。悠仁いねぇし」
「それ教師のセリフじゃないよ」
実際、副顧問というのも形だけで、予定の確認とかはするけど結局それも最後は顧問が決めるし、何より経験者でもないし。てかそもそも副顧問3人いるし。…あれ？俺ほんとにいらなくね？なんかちょっと悲しくなってきた。
そんなことを思いながら歩いていると、いつの間にかオカ研の部室前まで来ていた。
「遅いわよ虎杖」
「ごめん先輩。ちょっと捕まってた」
「入学早々やらかしたのか？」
「違う違う。そんなんじゃないって」
…相変わらずのコミュニケーション能力の高さだな。まだ入学して1ヶ月くらいだってのに。そこがいいんだけど。
わいわいと賑わう場を静観していると、奥の2人が気づいた。
「瀬川先生！？虎杖、アンタ知り合いなの！？」
「あー…うん。まあ」
「マジか！」
「
あのって何。え、俺ってなんか噂になってんの？こんなことってある？俺ここに来て3年よ？噂とか一回も聞いたことないけど？？
え、ウザいとかだったらどうしよ。嫌われてる自覚はなかった、っていうかむしろ慕ってくれてるような気がしてたんだけど。えぇ、うわぁ、結構クるなこれ。あ、視界ぼやけてきた。
……帰ろ。
.
瀬川が人知れず帰った直後。
「そんなに有名なの？」
「そりゃあもう」
「特に2、3年の間ではな」
「ふーん。なんで？」
「ぶっきらぼうだけど面倒見は良くて、実は結構優しい。授業も分かりやすい。極めつけは…完璧すぎるルックス！！全女子生徒の初恋を奪ってるって噂よ」
「へぇ…じゃあ、先輩も？」
「へっ……バ、バカ！わ、私は違うわよっ…」
バレバレな佐々木先輩であった。
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朝茶(プロフ) - もぶさん» ありがとうございます！そう言っていただけるとますます頑張れます！これからもよろしくお願いいたします！！ (2022年9月19日 21時) (
レス) @page20 id: 6d4df1d25a (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - この作品すごい好きです！更新頑張って下さい！！ (2022年9月19日 15時) (レス) @page19 id: 38a56b994f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無季 | 作成日時：2022年7月9日 21時
