12：再会 ページ12
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「ふぅ…こんなもんか」
一通り全ての階、全ての棟を見て回り、祓えるものは祓った。
「さて、こっちはどうか……あ？」
愛しい弟の元へ戻ったはいいものの、目の前で繰り広げられているのは激しい攻防戦。
……んー、見間違いじゃなければアレは俺の弟なんだが。
いや、見間違いなんかじゃねぇな。俺が悠仁のこと間違えるわけねぇし。でもありゃ悠仁じゃねぇ。確かに悠仁の身体能力はずば抜けてるし、あれくらい飛ぶのはできるだろう。でもあんな派手な刺青入ってねぇっつーの。
第一、俺が何も聞いてない。だからありえない。
「なぁ。コレ、どういう状況？」
「！アンタ、さっきの…」
たまたま近くにいたウニ頭のガキに声をかけると、なんでまだいるんだと怒鳴られた。いや、先に聞いたのこっちなんだけど？
「別にどこも怪我しちゃいねぇよ」
「そういうことじゃ……はぁ。あの2人は？」
「そこで寝てる。安全な場所だ」
そう言うと、少しだけ表情が和らぐ。
じゃねぇと大人の俺が惨めになるわ。
だが結局俺の質問には答えてもらえず、半ば諦めてもう一度視線を前に移す。戦っているのは悠仁…らしき誰かと、こちらに背を向けて立つ男。
つーか、コイツ誰？仮にも俺の弟と戦うとか絞められる覚悟あるってことでいい？よし。あとでビンタしよ。
そうして見ていると、急にガクンと悠仁の体が倒れる。
「何したんですか」
「気絶させたの。これで目覚めた時、宿儺に体を奪われていなかったら彼には器の可能性がある。さて、ここでクエスチョン……って、あれ」
「…どうしたんです」
どうやらウニ頭の知り合いらしき目隠をしたその男は、俺の方を見て固まっている。
いやそんなに見つめんな。穴開くわ。
「A？」
「はぁ？なんで知って……」
……いや、待て。待て待て待て。
眩しい程の白髪と漂う胡散臭さ。目隠しをしてもわかるムカつくくらい整った顔。加えて、俺と変わらない背丈とこの脚の長さは──ここで一旦現実逃避。
再び目を開けるも、何一つ変わらない光景。
……あー、だよなぁ。
「……悟か？」
名前を呼べば、満足したように「大正解ー！」と笑ったソイツ。
記憶にある姿とはいくらか違うが、紛れもない俺の悪友だ。
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朝茶(プロフ) - もぶさん» ありがとうございます！そう言っていただけるとますます頑張れます！これからもよろしくお願いいたします！！ (2022年9月19日 21時) (
レス) @page20 id: 6d4df1d25a (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - この作品すごい好きです！更新頑張って下さい！！ (2022年9月19日 15時) (レス) @page19 id: 38a56b994f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無季 | 作成日時：2022年7月9日 21時
