11：高揚感 ページ11
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咄嗟に後ろへ下がったものの、あのウニ頭のガキとは引き離されてしまったらしく、俺の方にはソイツを除いた全員がいた。そして、ウニ頭のガキはまた別のキモ野郎に捕まっている。
ガキが何か呟いたのと同時にその体は壁に強く打ちつけられ、横にいた2匹の犬がドロリと溶けるようにして消えた。それによって支えのなくなった井口の体を慌てて担ぐ。
そうしている間にウニ頭のガキはキモ野郎によって校外へと放り出され、既に満身創痍となっていた。
これは…かなりマズイな。
「……おい、ゆう──」
「兄ちゃん。先輩のこと、頼む」
「ッ、悠仁！！」
俺の制止も聞かず、一直線に駆けていく悠仁。遠のいた背中を追いかけることはできなかった。
轟音が鳴り響くたびに、腕にある2人の重みがズシリと伸し掛かる。
──全く、これ以上俺を惨めにさせるなよ。
「ごめんな、2人共。ちょっと待ってろ。すぐ終わらせてくる」
2人の体を壁に預け、今一度安否を確認した後立ち上がる。
そして、もと来た道をゆっくりと辿っていく。
ここに来るまでに出会った奴らは全部倒した。それはあのウニ頭のガキも同じだろう。数にすれば結構なもんだ。
「…ま、それで引っ込んでくれんなら誰も迷惑しねぇわな」
角を曲がった先に蔓延る、「キモい」の集合体。
どいつもこいつも雑魚ばっか。
弱ぇ奴ほどよく群れるってのは、よく言ったもんだ。
「んじゃ、あっちが片づく前に終わらせますか」
軽く全身を伸ばして準備運動。ポキポキと首や指の骨を鳴らせば、何となく懐かしさが蘇る。
……よし。いけるか。
思えば10年ぶりくらいか。こうして
胸底から湧き上がる高揚感。例えるなら、卒アルを見て盛り上がる同窓会の気分。同窓会行ったことねぇけど。
意図せず上がる口角と、拳に篭る力。
──あぁ。
「楽しくなってきたなぁ？」
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朝茶(プロフ) - もぶさん» ありがとうございます！そう言っていただけるとますます頑張れます！これからもよろしくお願いいたします！！ (2022年9月19日 21時) (
レス) @page20 id: 6d4df1d25a (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - この作品すごい好きです！更新頑張って下さい！！ (2022年9月19日 15時) (レス) @page19 id: 38a56b994f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無季 | 作成日時：2022年7月9日 21時
