Doctors-3JSB-GENE【４】

鼻風邪（健二郎） ページ23

涼太side







健二郎「くっしゅん！」



出勤前のリビングでは


健兄の豪快なくしゃみが響いている。




健二郎「へっくしゅんっくっしゅん！」


涼太「ん〜喉は腫れてないみたいだね。でもやっぱり体熱いよ。だから、ね、そろそろ測ってよ」



喉は診せてくれたのに


どうしても体温計は受け取ってくれない。



きっと自覚しているからこそ、なんだろうけど。



直人「健二郎、時間なくなるから」



直兄の一声によって


渋々俺の手から体温計を抜き取った健兄は



結んでいたネクタイを解いて


シャツのボタンを数個外した。





健二郎「へっくしゅん！あぁーしんど」



体温計を挟んだことで、張り詰めていた気が抜けたのか


やっと聞こえてきた健兄の弱音。





直人「そのままで良いから胸の音だけ聴かせてくれる？」


健二郎「37.2℃。時間ない。抗ヒスタミン薬頂戴。眠くならないやつ」



単語単位でしか返事を返さずに


そそくさとネクタイを締め始めた。



直人「お昼休み待っててね」



健二郎「..........いってきます」




少し考えたそぶりを見せた後


‘行ってきます’


だけは律儀に言って家を出て行った。




涼太「いってらっしゃーいっ！」



今のところ喘鳴は聞こえてないみたいだけど



熱上がると怖いな。

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