【実.況.者】私と君との成長日記

8日目 side rtrt ページ10

「……。」


「レトさぁん、あそぼーよー！」

「いまそんなきぶんじゃない。」

「まだすねてんのかよ！きげんなおせよ！」



おれはレトルト。

ユイがイベントに行ってしまったのでおれはほいくえんにあずけられてる。




正直ほいくえんはキライだ。

しらないヤツともあそばないといけないし、ユイはいないから。



仲がいいキヨくんとフジくんがいるけど、おれは今あそびたいきぶんじゃない。



「キヨーあっちですなあそびしよ？」

「ほら、フジくんがさそってんで。いきーや。」

「えーレトさんもいこ！」

「おれはいーの！」


ぐいぐいとキヨくんのせなかをおしておれからはなす。





カニのおもちゃをプープー鳴らしながらユイをまつ。


まだまだなのはわかってるけど、ついつい時計をチラチラ見ちゃう。

時間がゆっくりにかんじる。






「ゆい……。」




ワガママなのはわかってるけど、おれはユイといっしょにいたいだけ。

ぎゅーってしてほしいだけ。おててをつないでほしいだけ。




ずっとおれをはなさないでほしいだけ。




ぽろぽろとなみだをながしていると、だれかがこっちにくる。

服のそででゴシゴシとなみだをふいてうつむいてだれかさんをまつ。





「れーとーくん！」





この声は





「……ポッキーせんせい。」






おれたちの組のせんせい、ポッキーせんせいだ。


やさしくて、ひょろっとしてるけどたよりがいがあるみんなのだいすきなせんせいだ。




「まーた泣いてるの？」

「ないてないもん！」

「もしかしてAちゃんがいなくてさみしい？」

「…そんなんじゃないし。」

「そっかそっか。」





もしかしてポッキーせんせい、げんきつけてくれてるのかな。



なんて思ったり。






「大丈夫、もうちょっとでお迎えくるよ。」


「……うん。」



カニをにぎりしめて、ポッキーせんせいとまつことにしました。

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