向かいはクマさん (ページ3)

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ゴジュウサンページ3

、

「で、慎太郎くんと
大我で悩んでるんでしょ、どうせ」

杏奈が帰った後、
コップに入った炭酸ジュースを飲み干した彼は

コースターの上にコップを優しく置き、
私の方を見た。

『別に悩んでるわけじゃないよ。
慎太郎くんと特別仲良いわけでもないし』

「じゃあ慎太郎くんに告白されたら断る？」

『それは…』

そんなことあるわけないだろうけど
慎太郎くんに告白された時のことを想像して

お断りするという選択肢がすぐには生まれなかった。

「ほーら。
まあさ、大我も今すぐって言ってないわけだし
ちょっと意識した目で2人を見てみたら？

気持ちがわかるかもよ」

『なるほど…わかった。
ありがとう』

意識すると変に緊張して
話せるかどうか怪しいが、

お断りするにしても
お付き合いするにしても

自分の気持ちを明確にしないといけない。

「ま、大我が未だに
お前を好きなんてびっくりだわ」

『私もびっくりだよ…翔太仲良かったのに
一個もそんなこと匂わせなかったもんね』

「それは、さ。
まあお前にはわかんねぇよ。

じゃあ俺帰るからな」

よくわからないことを言い残し、
ごちそうさま、とコップをシンクに運んだ翔太は
そのまま自宅へと帰っていった。