君の好きなひと (ページ2)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:10,330 hit

１ページ2

Aside

仲のいい飲み友達といつもと同じ居酒屋で飲んでいた。

その中には私が片想いしている盛山晋太郎もいる。

だからいつもより丁寧にメイクをして、普段はつけないピアスをつけた。

「じゃあ明日も仕事だからここでお開きで」という声と共に皆んなが立ち上がった。

私は今日もいつも通り楽しかったな～なんて思っていた。

しかし１つだけいつもと違うことがあった。

それはいつも一緒に帰っている盛山がお会計が終わったあとに

『ごめん、今日は一緒に帰られへん』

と伝えにきたことだった。

私は少し驚いて

「え？

　あ、わかった」

と答えた。

この会話で「他の女の子のところへ行く」なんて考えなくても分かる。

私はこの嫉妬心と共に帰路につくことにした。

いつもなら盛山と2人でくだらない話をしながら歩く道を今日は1人で耳にイヤフォンをして歩いた。

しかし曲は頭に入ってこなかった。

　

「多分相手の女の子は背が低くて、
　女の子らしくて可愛らしい子なんだろうな」

「羨ましいな」

なんて意外と冷静に

そんなことを考えていた。