Dogwood ページ11
止めようとしても止まらない感情と気持ち悪さ。
涙でぼやける視界には白色の花びらが写る。
『っ、はあっ、』
涙がぽろぽろ止まらなく拭っても拭ってもただ袖口が濡れていくだけ。
鈍く頭の痛みがして来て意識を手放しそうになる。
及「！いた！岩ちゃんみんな待って、…は、岩ちゃん？！」
ふらふらとする、視界が涙でぼやける。
『おい、かわ…』
刹那、意識が途切れた。
_______________________
及川side
最近俺は幼馴染みの岩ちゃんが好きなのか、
同じクラスの宇波が好きなのか分からない。
岩ちゃんは小学校から一緒で俺が間違った時には全力で助けてくれて俺の、大切な幼馴染み。
その幼馴染みが最近様子が変だという事くらい一目でみてわかっていたけど本人に聞いても大丈夫、と通すだけでじゃあ大丈夫なのか。と1人で勝手に安心していた。
でも地面で蹲ってる岩ちゃんをみてこれは大丈夫じゃない事態なんだ、って思った。
倒れている岩ちゃんを抱えると熱があって目元が赤くなってて近くには沢山の白い花びらが散っていた。
声をかけるとかすれた声で俺の名前を呼んでくれて、岩ちゃんがこのまま消えて無くなってしまうんじゃないかと怖くなった。
マッキーやまっつんに伝える勇気が無くてでも誰かに相談したい、そう思って俺は同じクラスの宇波に電話をかけていた。
宇「？どうしたの及川。急に電話かけてくるとか珍しいじゃん」
2コールほどして電話に出てくれた は明るい声だった。
及「宇波、どうしよう。岩ちゃんが、倒れた」
宇「は？！岩泉が？なんで！」
彼奴の中にも岩ちゃんが倒れるなんて認識は無かったんだろう、凄く声が強張っている。
宇「……そんで、私にかけて来て、どうしたいの？」
俺がなにも返さずただ無言でいると少し落ち着いた声色で宇波が聞いて来た。
及「俺、岩ちゃんが、消え、ちゃうんじゃないか、って思った」
情けなく鼻声になって来ているのが分かる。
少し沈黙があったあと宇波はこう言った。
宇波「及川さ、岩泉の事、好き、なんじゃないの？」
宇波の声は震えていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいな - 私腐女子なのでこの作品読んだんですけど、めっちゃ面白かったです！ (2022年7月16日 21時) (
レス) @page15 id: be0b1c96e8 (このIDを非表示/違反報告)
しほかもしれない（？） - え、なに？ 始まりかたすき(((は？ (2020年8月23日 17時) (レス) id: 7b6bdaef7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kosame | 作成日時：2020年5月28日 21時
