恋人契約【黄】

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「…それで一体どういうことなの」

カフェにつき、いつものお気に入りであるカフェラテを頼むと、彼女も続けて、アイスコーヒーを頼んだ。
店員さんにカフェラテで、と注文した際に少し驚いた顔をされたが、やっぱりこのガタイで顔だと意外なのだろうか。
少し気まずさを感じながらも、彼女に話しかけた。

「詳しい事情は引き受けて頂いてから少しずつ話させていただけたらと思います。いきなり色々話されても岩本さんも混乱されるかな、と」

「いや、今の時点で色々混乱はしているけど……まあ、わかった。まだ引き受けるかどうか以前の問題だし。でも、なんで恋人？てか、なんで俺？もっと適任はいると思うんだけど」

正直な話、お金を出して俺に頼みたいというのが不思議な話。たくさんのファンがいるし、それは俺も凄く嬉しいけど。やっぱり彼女は俺らのファンかというとそうではないみたいだし、そうなれば、SnowManの中でも知名度がそこそこにあってかっこいいとなると目黒とか…ふっかもグループ内ではかなりのリアコ枠な気がするし……と思いながら、ぼそぼそと独り言を言っていると、

「私、SnowMan詳しいわけじゃなくて」

「え」

思っているよりも俺らを認知していないのかもしれない。彼女は更に縮こまって気まずそうに口を開く。

「お名前とか、は、存じ上げていますけど。あとは、あそこであなたに会ったから？特段理由があるわけではなくて……」

「それは…、それでへこむような……。てか、詳しくないのに俺のことは知ってんだ」

最近は、テレビの露出が増えてきたし街中で声をかけられたりすることが増えたとはいえ、俳優業で売れっ子の目黒や、モデルとして活躍中のラウール、他にもバラエティ等テレビに引っ張りだこなメンバーに比べてしまえば個々としてはまだまだだと思っている。さっきの口ぶりだと目黒のこともイマイチ、ピンときていないみたいだし。

「昔、見たことあるんです。岩本さんのこと」

「リーダーとして頑張っている岩本さんは、本当にすごくて、あの姉を惹きつけるグループのリーダーなんて、もう、とんでもなく凄い人なんだろうなって思ったんです」

そう話す彼女の目の濁りはどこかにいって、キラキラ輝いていた。

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