𝟏𝟗 ページ30
「幸福、でしたっけ」
「おお、よく覚えてるね」
「わりと有名かなって」
「まあ、あんまりマニアックじゃないのにはするよね」
マニアックなの渡しても絶対伝わらないよね、と岩本さんは笑った。
「…Aさんには幸せになって欲しいとおもうから」
「私、に？」
「もちろん。結局Aさんはあんまり踏み込ませてくれなかったけどさ」
その言葉にどきっとする。
少しでも私のことを知りたいと思ってくれていたのか、この数週間で踏み込んだ話をしようとしてくれたこともあった。けれど、なんだか怖くて、いなくなろうとしていることも勘づかれてしまいそうで、うまいこと交わしてきた。自分から色々言い出したくせに、と自分のことを我儘に思えてきそうだけど。
「…私は、岩本さんが思っている以上に空っぽな人間ですよ」
「…空っぽだなんて、言わないでよ」
ふと見上げて岩本さんの顔を見て驚く。
岩本さんは、今にも泣きそうな顔をしていた。
「な、なんで……、いわもと、さん、？」
「きみは、なにをそんなに抱えているの」
「…っ」
「俺にはなにも教えてくれないの、俺は、君のことが、Aさんのことが大切だよ。Aさんのこと、支えたいってずっとずっと言ってる」
「、それは」
「君が死にたがってるのだってわかってるよ」
「…え、」
「でも、生きててほしいよ、俺のそばにいなくていいから君には幸せになってほしい」
ぽろりと涙が溢れた。
「俺の為に生きてって言ったら、重い？」
ただの契約の恋人にそんなこと、言わないで。
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わたあめ?(プロフ) - 本当ですか！？💖ありがとうございます✨楽しみに待ってます☺️ (4月18日 8時) (
レス) id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
もりの(プロフ) - わたあめ?さん» コメントありがとうございます🫣💖ぜひ機会あれば書きたいと思います✊ (4月16日 12時) (レス) id: 48af4ceda7 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ?(プロフ) - よければなんですが、バッドエンドも見てみたいです。🥹💦 (4月16日 7時) (レス) id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ?(プロフ) - ヤバい…めちゃくちゃ感動しました😭✨ (4月16日 0時) (レス) @page37 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もりの | 作成日時：2024年3月7日 14時
