恋人契約【黄】

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𝐈𝐰𝐚𝐦𝐨𝐭𝐨 𝐬𝐢𝐝𝐞

"岩本さんが心配してくださってるのは今、恋人だからです。恋人の契約が解消すれば私達は赤の他人ですよ"

「まあ、確かにそうなんだけどさ〜…」

ご飯の後、連絡を取りにくく感じつつもなんかメッセージ送った方がいいよな〜なんて、メッセージアプリとにらめっこをし始めて早数日…

なんて送ればいいかもわからず、そのまま送れないまま。
はあ、なんてため息をついて、頭を抱えてしまう。

「おっどうしたよひかるー？」

たまたま撮影で被っていたふっかにぽんぽんと肩を叩かれ、顔をあげる。

「……おんなのこって、むずかしい」

「え？！ひかる、女できたの？次はどんなこ？」

写真ないの！しゃしん！なんて大騒ぎし始めるふっかにおい、静かにしろ！と声を少し荒らげる。

「女っていうか、なんていうか……色々事情があって」

「ふーん？よくわかんねえけど、ひかるがうじうじしてんの珍しいね」

「べっつに、…うじうじしてる訳じゃないけどさー」

えー？なんてくすくす笑うふっかにイラッとしながらも、また、スマホに視線を戻す。

「…別に、1回何かしらで関わりもったら他人に戻るなんてこと、そうそうないのにな」

友達でも恋人でも、そう思わない？とふっかに声をかけると、うーん、と悩む。

「まあ人それぞれではありそうだよねー、ほら、もう関わりがなくなったら終わりって人もいるんじゃないの」

しらないけどー、なんて言ってどこかふらふら行ってしまう。

まずまず、なんで恋人の契約なんて？思えば、詳しい事情は少しずつ話すって聞いて、そのまま聞けてないな。
話した感じ、あのギャップていうのかな、Aさんの魅力におちる人も少なくないような気がするけど、

あとは、ふとしたときに見せる、あの暗い表情、瞳がどうしても気になってしまう。なにが彼女をそんな風にさせているのか、それもなにか恋人契約をするきっかけになっているのか……、なにかしら、今度会う時に聞ければいいな、と思いながら仕事へ戻るのだった。

𝟏𝟎→←𝟗

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