𝟕 ページ13
岩本さんとのドライブを楽しみ、少しおしゃれな個室のある和食店につく。
お昼も時間がなくて軽くしか食べれなかったからぐ〜と音が鳴りそうなお腹を沈めてメニューを開く。
「…おいしそう」
「ここはなんでも美味しいから好きなの頼みな？」
そうやって頬杖をつきながら優しく見守ってくれる岩本さん。
「岩本さんは、なにか苦手なのとかありますか？」
「俺、メッセージでも言ったけど、牛肉アレルギーだから肉は無理かな。それ以外ならきゅうりとか、ねぎとか…」
そう、メッセージでお肉はダメだと聞いていたので、それなら私がお店を決めてしまうより岩本さんの行きつけのところ行きましょう、という話になったのだ。
それにしても、きゅうりとねぎか。なんか小学生の頃苦手な子が多かったイメージがあるなあ、なんて考えていると
「……子供ぽいとか思った？」
ちょっと恥ずかしそうにそう聞いてくる。
「そんなことないです。わたしもねぎ克服したのなんて20過ぎてからですし」
「克服できてる時点で凄いんだけど…俺マジで無理」
うげ、と拗ねた顔をするものだからその顔の方が子供ぽさがあるかもしれないな、と思う。
「Aさんは逆に苦手なものとかないの？」
「私、ですか」
「え、うん。これからご飯行くことも多々あるだろうし、好き嫌いは把握しておくべきかなって」
「好き嫌い、かあ」
お姉ちゃんに好き嫌いがなかったから私も苦手なものがあってもあんまり噛まないですぐ飲み込んでなんとか誤魔化してたっけ。
「多分、特にないと思います」
「へー、えらいね。俺は無理だって思ったものは絶対無理なんだよねー」
じゃあ俺のおすすめで適当に頼んじゃおっと、なんて言って店員さんを呼ぶ。
好き嫌いがないだけでえらいだなんて、そんなの、勉強頑張ったって、なに頑張ったって、えらいなんて言われたことの方が少ないような気がする。自分の中で珍しい言葉に違和感を覚えながらも頼んだ料理が早く届いてほしいなあ、と待つのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 766人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたあめ?(プロフ) - 本当ですか！？💖ありがとうございます✨楽しみに待ってます☺️ (4月18日 8時) (
レス) id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
もりの(プロフ) - わたあめ?さん» コメントありがとうございます🫣💖ぜひ機会あれば書きたいと思います✊ (4月16日 12時) (レス) id: 48af4ceda7 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ?(プロフ) - よければなんですが、バッドエンドも見てみたいです。🥹💦 (4月16日 7時) (レス) id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ?(プロフ) - ヤバい…めちゃくちゃ感動しました😭✨ (4月16日 0時) (レス) @page37 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もりの | 作成日時：2024年3月7日 14時
