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生前、姉が好きだったのがSnowManだった。
お母さんやお父さんにこのライブにSnowManが出るから!なんてお願いしてチケット応募してたりしてたっけ。
私はアイドルなんて興味なかったけど、普段よりも目をキラキラ輝かせるものだから、あの姉を夢中にさせるSnowManというのはさぞかし凄い人達の集まりなんだろうな、なんて思っていた。
そんなSnowManの1人である、岩本照を見つけてしまったら、思わず声をかけていた。変装ぽいものはしてるけど、案外わかるもんなんだなあ、と他人事みたいだけど思った。
「あの…どちら様ですか」
控えめに声を出す彼は、大きな体格のわりに縮こまっていて、なんだか面白い。
「ごめんなさい。…急に声をかけてしまって」
「いや……僕のこともしかして知ってます?」
「SnowManの岩本照さん、ですよね。すみません。声をかけるつもりはなかったんですが、」
「ごめん、ファンの子?俺もアイドルだしタチの悪い冗談は…「お金、払います」…は?」
「報酬はお支払いします。"SnowManの岩本照"に彼氏として業務していただけませんか」
私の言葉に、再びぽかーんとする彼。はっとして口を開く。
「まって、どういうこと?意味がわからないんだけど」
「仕事として依頼したいんです。今きっと忙しいでしょうから週1で会っていただく形で、3ヶ月で300万でいかがですか。月収100万として考えれば、悪くない案件じゃないかと…あ、もちろん詐欺とかじゃないです。お金も前払いで払いますし、週刊誌にリークとかはないです。個人的な事情で岩本さんに頼めたらっていう…」
一通り説明してもいまいちピンときていない岩本さん。そりゃそうだ。いきなり女の子に声をかけられたと思いきや、お付き合いを、しかも仕事として依頼するだなんて。新手の詐欺か、弱みを握る為のネタを作る為だと思いかねないだろう。目を伏せながらもちらりと岩本さんを見ると、困った顔をしながらも、一生懸命考えているようだった。
「とりあえず、カフェかどこかで話そうか。色々聞きたいことあるし、時間、大丈夫?」
「あ、はい。時間は全然。むしろすみません」
「近くに行きつけのカフェあるんだ、行こうか」
そう言うと岩本さんは、すたすたと歩いていく。
てっきり、すぐ断られてしまうと思っていたからびっくりしながらも、岩本さんについていった。
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わたあめ?(プロフ) - 本当ですか!?💖ありがとうございます✨楽しみに待ってます☺️ (4月18日 8時) (レス) id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
もりの(プロフ) - わたあめ?さん» コメントありがとうございます🫣💖ぜひ機会あれば書きたいと思います✊ (4月16日 12時) (レス) id: 48af4ceda7 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ?(プロフ) - よければなんですが、バッドエンドも見てみたいです。🥹💦 (4月16日 7時) (レス) id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ?(プロフ) - ヤバい…めちゃくちゃ感動しました😭✨ (4月16日 0時) (レス) @page37 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もりの | 作成日時:2024年3月7日 14時