＃２幼馴染 ページ2
...
「…よしっ」
家を出る十分前。わたしは前髪を切っていた。
１０年前から伸ばしては整えてを繰り返していたあの長い前髪を１０年ぶりに眉毛まで揃えたのだ。
心なしか、軽くなった気がする。
落ちた髪の毛を始末し、薄く化粧を。
ピンポーン
「はやっ」
十分前に来るのは早すぎでしょ。なんでこんなにも早く来るわけ？
まだ髪も巻いてないのに。
鳴り止まないインターホン。
覗くとやっぱり、幼馴染のあいつ。
「あーもー分かった！分かったってば！！」
家の中からそう言って、荷物をまとめて家を出る。
そこには、私の家のドアにもたれたアイツがよろめいて登場した。
元太「…ん、おそいよ、A」
「元太が早いの！なんで十分前に来るの〜…」
幼馴染の松田元太。この春から同じ高校へ通う。
幼稚園から一緒の元太はもう兄妹のような存在。
隣で悪びれもせず、今日への期待を顔に出している彼はかなりのイケメンだ。
この顔のせいで、わたしがクッソ悪口言いまくられてんだよ、ばーか。
とか毒づくけど元太は悪くないことくらい理解してる。
ため息をついて、憂鬱な気持ちを吹き飛ばした。
「電車。こっちだよ、ホーム」
元太「あれ」
電車が苦手な元太は、いつでもホームで迷う。ほんと、手のかかるやつだ。
…時計を見ると７時２０分。電車の時間は２５分。
こっち、と元太の手を引いて走る。
間に合うかな。
元太「早いよ〜！」
「もー黙ってついてきて！！」
体力を使いたくないのかへなへなと走る元太をびゅんっと引っ張る。
やっば。一汗かくわ。
そう思って、閉じる寸前の状態である電車のドアをすり抜けて、ギリギリで乗り込んだ。
「はぁぁ〜…」
元太「ん〜お疲れ」
「お疲れじゃねえよっ！」
呆れながらも、こんなやつに手を貸してしまうのはやっぱり愛着が湧いてるから。
はー、とまたため息をついてつり革を握った。
すると、手が重なる。
どうやら相手と同じタイミングで同じつり革を掴んでしまったみたいだ。
「すいませんっ」
？「や、俺……え！？」
お互い頭を下げていると、相手の男の人が私の顔を見るなり驚いた顔をした。
…え、なに？しかもめっちゃ声デカいじゃん…
心底やめてと思いながら、苦笑い。
すると突然、彼は私の手を握った。
.
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ぽむりんこむ - つくもさん» つくもちゃん！！ありがとねいつも！！ (2019年10月15日 19時) (
レス) id: 77570be88d (このIDを非表示/違反報告)
つくも - 自担じゃないけど、普通に面白いですね〜♪これからも応援してます！ (2019年10月13日 22時) (レス) id: ee4aafbc89 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりんこむ - Ramuさん» 慎太郎担ですか！！好みに合えば嬉しいです笑 (2019年9月21日 19時) (レス) id: 50ff4b13a1 (このIDを非表示/違反報告)
Ramu - おもしろいです〜！！しかも自担っていうのがもう…w更新待ってます！！ (2019年9月21日 0時) (レス) id: f806bbb115 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりんこむ - apitandapbjさん» ありがとうございます！亀更新ですが更新できるときはバンバンするので！！ (2019年9月17日 18時) (レス) id: 50ff4b13a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽむりんこむ | 作成日時：2019年9月6日 21時
