36. 学生 - 学生 ページ36
_______A達が居なくなった後
透は手を振っている鈴に話しかける。
「あの子の事良く知ってるの？」
「はい。でもだいぶ久しぶりに会いましたけどね。やっぱり無理かぁ・・」
A達を見送りながら話す鈴の言葉に首を傾げる。
「無理？」
「杏寿郎君とAの距離をお互いの為に少しだけ離そうと思ったんですけど、野暮でしたね」
鈴は杏寿郎の執着が異常だという事は昔から知っていた。
しかし杏寿郎と鈴が最後に会ったのは杏寿郎が小学校の時だった為、その頃はまだ幼い子どもの執着だろうと思っていた為大学に迎えに来た所を見た時は驚いていた。
それ故に杏寿郎の為にもAの為にもお互い距離が取れたらと今回の合コンを企画したのだが、久しぶりに見た杏寿郎の態度と変わらぬ執着、そしてAの反応を見て諦めた。
鈴は笑顔で透の方を向く。
「気づいてないでしょう？Aって杏寿郎君と話す時だけ表情がすっごい豊かになるんですよ。もちろん私にも周りに比べれば豊かな方ですけどね」
「そう言えば・・あの道場の時くらいか」
透は今まで大学で何度か話していたがAが杏寿郎や鈴以外と話す時以外に普段の会話で感情をはっきりと現した事がない事に気づいた。
鈴は困ったように笑う。
「あの2人の間には誰も入れないんですよ。だからAは杏寿郎君を好きになるか、一生独身のままですね」
透は鈴の言葉の内容に驚くも、ストンと胸にその言葉が落ちる。
「確かに、きっとあの子は一生離れないだろうね・・俺もあのくらい人を好きになってみたいな」
A達が去っていった方を見ながら話す透を鈴がギョッとした顔で見る。
「ダメですよ！あれはAだから杏寿郎君の行動が許されてるだけで、下手すれば犯罪ですから」
透は鈴の言葉にキョトンとした顔をした後苦笑いになった。
「それもそうだ」
2人は笑い合った後、飲み会の場へ戻って行った。
_________一方居酒屋から帰る杏寿郎とA。
「杏寿郎！杏寿郎！！」
「・・・・」
Aがさっきから何度も杏寿郎の名前を呼ぶも返事が無い。
無視はされるも手を掴む力だけは少しも緩まず電車の中でも無言のままだった。
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つくね(プロフ) - 沙希さん» 沙希様！小説を読み、更にはコメントまで下さってありがとうございます！！(;_;)しかも別の作品まで見ていただいて失神しそうです！力が出ました！これからも飽きられないよう頑張りますのでよろしくお願い致します！！ (2021年8月13日 0時) (
レス) id: 1bd9842210 (このIDを非表示/違反報告)
沙希(プロフ) - いつも楽しくキュンキュンさせて頂きありがとうございます！他の方々の作品ではなかなか出会えないタイプの煉獄さんですがめっちゃハマってしまいました！大正時代の作品から現代編のお話のカップルも好きなのですが、こちらの話のお二人も面白くて好きです！ (2021年8月12日 20時) (レス) id: a7a9c53ace (このIDを非表示/違反報告)
つくね(プロフ) - さやさん» さや様ー！本作まで見ていただいてありがとうございます！幸せ過ぎて泣きそうです！(;o;)さや様に飽きられぬように頑張りますのでよろしくお願いします！！psチビ杏寿郎は音痴そうだなと勝手に妄想しました笑 (2021年8月11日 11時) (レス) id: 1bd9842210 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - つくね様の新作の通知が来てすぐに読ませてもらいました(*´ω｀*)果てしなく音痴な鼻歌を想像したら可愛すぎました(*´Д｀)素敵な作品ありがとうございます！！今作も楽しみに読ませていただきますね(*^^*) (2021年8月11日 10時) (レス) id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つくね | 作成日時：2021年8月11日 10時
