オクタと空 ページ3
「疑問に思っていたのですが…」
ジェイドがわざとらしく口に指を触れさせ、首を傾ける。
「陸の方々は一つ上に上がるだけでいいのに、2つも上がらなければいけない僕達と同じ基準の評価なんでしょうか?」
「1だろうが2だろうが、上がるのは同じだからじゃないか?」
最初に返答したのはジャミル。
「そうでしょうか…」
俯いて何かを考え出したが、ジェイドにはそれよりももっと考えるべきことがあるはずだ。
「君、とっくにハロウィーンは終わっているよ?何故そんな格好で来たんだ」
マミーの格好をして、箒すらもってきていない。
「何故、と言われましても…」
よく見れば、他にも別の衣装を着て手ぶらで来ている生徒は多数いる。というか、その割合が高い。
まともな格好で着ているのは、僕とジャミル、アズールと…おめかしバースデーはありなのか?
「…ジャミル。今日はカリムの誕生日なのか?」
ハーツラビュル寮生の誕生日は全員文暗記しているが、他の寮生の誕生日は流石に覚えていない。
だが、去年のカリムのバースデーパーティーはこの時期にやっていなかったはずだ。
「いいや。違う」
「そんなことよりもリドルさん、木の枝に衣装が絡まってしまったので取っていただけないでしょうか?背中なので取れなくて…」
「そんな服を着てくるからだろう!?」
仕方なくとってやると、ありがとうございますと微笑まれた。
こうなると、もう段々おかしいのは僕の方ではないかと思えてしまう。
「ジェイドリーチ、アズールアーシェングロット、カリムアルアジームは放課後補習だ!」
…僕は間違えていなかった。
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作者名:モリフクロー | 作成日時:2021年8月16日 7時