オクタと夜食 ページ1
「アズール!アズール!!!!」
深夜。扉が壊れそうな音を立てている。
扉の奥から聞こえてくるのは幼馴染の論外の方の声だ。叩いて、蹴って、頭突いているのも彼だろう。
「フロイド!!今何時だと思っているんですか!!」
勢いよく外開きのドアを開けると、目の前にはやはりフロイド。あと、扉と壁の間から「グフッ」と声がしたが、ゴキブリか何かだろう。
「腹が減る時間」
「そうだけどそうじゃない」
扉と壁の間から、気持ち悪いタイプの笑い声が聞こえるが多分ゴキブリか何かだろう。
「で、どうしたんだ」
「夜食作った。食べよ」
手を掴まれ、上機嫌なフロイドに引っ張られる。
後ろから気持ち悪いタイプの笑い声を漏らしたゴキブリが付いてきている。
確か防虫剤切らしていたな。買い足しておこう
連れてこられたのは想像通りモストロラウンジ。一番大きなテーブルの上には、夜食とは言えない量の食べ物が乗せられていた。
「うわ…こんなに作って、食べられないだろ」
「うちには
左から順に、ラーメン、唐揚げ、ケーキ、ぴざ、たこ焼き、タコのカルパッチョ、タコの刺身、タコの唐揚げ、キノコご飯、キノコリゾット、タケノコの里、キノコのスープ、キノコの炒め物、炭
「いやこんなに食えないだろ。さすがに。ダイオウグソクムシでも」
「ふふふ」
「食えないですよね?」
「ふふふ」
否定しろ怖いな。
「夜中に食べると太ります。キノコはともかく、左側のカロリーと里はダメです。」
メガネをくいと上げる動作をして、帰ろうと後ろを向く。
「唐揚げ食べねーの?こんなにいっぱい作ったのに。マヨネーズかけてもいいんだよぉ?誰も怒んねぇから」
左で囁くのは悪魔
「アズールが食べないなら僕が全ていただいてしまいますよ。あと、キノコならカロリーが少ないです。」
右で囁くのはダイオウグソクムシ
「っ…」
唐揚げは、しばらく食べることが出来ていない。
昨日あんなことをされたのだ。食べたいに決まっている。
「キノコは食べません。ごき…ジェイド、アナゴがなくなりました。買い足しておきなさい」
「おやおや…お断りします。」
「アナゴなんて使わねーじゃん」
「…アズール、貴方まだ怒って居るのですか」
「…」
「わかりました。正直に言いましょう」
正直に?謝るではなく?
「実は昨日、アズールの耳元でこれみよがしに唐揚げ丼を食べたのは嫌がらせでした」
「最初から分かってるわ」
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作者名:モリフクロー | 作成日時:2021年8月16日 7時