雪野家のちょっとおかしな日常

狐「始まるぜ……夏休みがよぉ！！」亜「テンションどした？」 ページ4

高校や中学の宿題は想像です。


ーーーーー


「夏休み！！だ！！ぜ！！」

「うるさい。耳障り。」

今日から夏休み。朝から兄の声がうるさい。


「楽しむのは良いけど、宿題終わらせるのよ？今年も色々用事あるからね！」

母の声がキッチンから響く。

三階の部屋で話していたはずなのに二階にまで聞こえていたのは、兄がうるさいせいなのか母が地獄耳なのか悩む所である

「分かってるよ！」


そう言う兄だが毎年忘れている。
恒例の言い訳は「忙しかったんだ！」
それを毎週言い、大量の宿題を机に積んでいる彼である。

「今年は加楽口(からくち)とやなぎっちに教えてもらうんだ！」

加楽口(からくち) とやなぎっちとは兄の友人で、一度だけ会ったことがある。

ちなみにやなぎっちさんの本名は柳雫(やなぎだ)である。


加楽口さんはふわふわした髪の大人しめな人で、
柳雫さんは綺麗なロングの髪の毒舌な人。



柳雫さんは兄に初対面で「寝てる暇あるなら勉強しろ」と言ったらしい。

それに対し「女の子みたいに綺麗だね！」と意味わからん事言ったあと、兄はボロボロで家に帰ってきた。

どうやら柳雫さんの地雷を踏み抜いたみたいだ。


話が逸れたが二人が教えてくれるなら無事宿題も終わるだろう。
アメとムチを上手く使って欲しい。

「それなら良いけれど………迷惑かけちゃダメよ？」

母の心配も分かってしまうのは長年兄に振り回されたからなのだろうか。


「今年は信用して良さそうだね」
「上からものを言うな！我は兄であるぞ！」
「だまれや」

兄と会話し、何もない日が始まる。

今年こそ(・・・・)平和だと良いけど………

思うことがありつつ、二階に続く階段を降りた。

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